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あづみの自然農塾 5回目
2008.7.26(土)〜27(日)

26日(土)スケジュール
◆ちんげん菜、小松菜、大根の自家採種
◆小麦の脱穀
◆みんなの畑
◆温泉
◆夕食
◆自然農、美斉津さんの場合。
雑誌『月刊MOKU』 2007年7月号の記事「食べ物は商品じゃない」の音読会

 日中の安曇野は、東京と変わらないくらい暑くて、連日35℃以上あるそうです。

 夏真っ盛りの自然農塾。今回も盛りだくさんで楽しい二日間になりました。

夕刻のひまわり

朝日

にんじんの花

 みんなで、シャロムの畑へ。
 アブラナ科の野菜が種を結び、カラカラに枯れたので種採りができました。
 種採りは10時頃がいいそうです。
 朝早く採ると、朝露でしめっているので朝は採りません。
 土地が肥えすぎていると、野菜が子孫を増やそうと思わないので種ができにくいそうです。

◆ちんげん菜、小松菜、大根の自家採種

 ちんげん菜、小松菜は下記の方法で、種採りをしました。
(1)カラカラに枯れた種のさやを、揉んでほぐします。
(2)両手で摺り合わせるようにこすると、さやと種が分かれます。
(3)ふ〜っと息をふきかけると、軽いさやが飛んで、種が残ります。


 大根は、唐箕(とうみ)という農作業用具を使って、種とさやを選別しました。

 牧大根と青首大根の種を採りました。
(1)さやを揉んでほぐします。
(2)ブルーシートの上において、足で踏んでほぐします。
   (車でひくこともあるそうです。)
(3)唐箕を手動で動かし、ぼぐしたものを入り口に入れてレバーを開けると、種とさやに分かれます。

★2_大根1.JPG、2_大根2.JPG、2_大根3.JPG、2_大根4.JPG、2_大根5.JPG


種は冷蔵庫に入れておけば、3年くらいもつそうです。

◆小麦の種採り

 「青葉」という種類の小麦の種を採りました。
 (1)枯れた小麦を刈り、干します。
 (2)棒でたたいたり、足で踏んだりして脱穀します。
 (3)今回は、脱穀機を使いました。
 (4)唐箕でもみを吹き飛ばし、種を選別しました。


 小麦は10m×5mの土地から、10kgくらい収穫できるそうです。

 唐箕や脱穀機を使ったのは、初めてでした。
 シンプルだからこそ、誰にでも使えて、わかりやすくて、便利だと思いました。

 非電化なのがとてもいいな〜、と思いました。
 いつの日か、「うちにもほしい〜」と思う日を想像して、ワクワクしてしまいました。

 みんなで順番に、脱穀機を使って、枝から穂を離します。
 もみと種も分かれるはずなのですが、なかなか分かれなくて、みんなで手作業をして、もみと種を分けました。
 手作業をしながらいろいろと話す時間がまた、楽しかったです。

 この後は、クラインガルテンに移動、1時間ほどそれぞれの畑の手入をしました。

 畑に向かう途中、臼井さんからプレゼント!
 目の前には、1本の桃の木が! たわわに実った、赤く可愛らしい桃を見て、桃の木が幻想的に見えて(私だけかな?)、桃源郷を思いました。
 虫が食べた熟した実をかじると、甘くて美味しい!
 みんなで桃をかじりながら、至福の時を味わいました。


◆みんなの畑

 今月も、畑を見てみんなびっくり!
 先月もびっくりしたのですが、さらに草が茂っていて、草なのか野菜なのか、どこに野菜があるのか、わかりません。
 みんな、かきわけながら自分の畑にたどりつき、野菜たちの生長に見入っていました。
 ひまわりは、とうに身長を超して、3mくらいに生長していました。


◆裕子さんのお料理

 今日のメインはカレー。とても美味しかった!
 もちろん、おかわりしました。

・ズッキーニとなすの夏カレー
・きゅうりとモロヘイヤの冷製スープ
・お豆腐サラダ そば米添え
・新じゃがとインゲンのフリッタータ
・夏大根と生姜の柿酢漬
・丹波黒豆と琥珀カンテン ココナツ風味




◆自然農、美斉津さんの場合。
雑誌『月刊MOKU』 2007年7月号の記事「食べ物は商品じゃない」の音読会

 明日、畑を見学させていただく佐伯さんの師匠、美斉津育夫(みさいづ いくお)さんをインタビューしてまとめられた記事を、みんなで読みました。
 2段落ずつ。学校で教科書を読んでいるようで新鮮でした。


 こちらのサイトにも、美斉津さんの紹介がありました。
 「アサマでドットcom」
 
http://www.asama-de.com/wakuwaku/04_11_01.htm

 以前、竹内さんが美斉津さんのお宅を訪れたとき、おしるこを出してくださったそうです。
 よく見ると、中に入っているお餅は、つきたて。
 と言うことは、わざわざお餅をついてくれたんだ。
 と、と気づき、さりげない心遣いに感激したそうです。

 音読会のあとは、シャロムの外のテーブルで、みんなで音楽会!
 ぐっさんと、やちさんのギター、新さんのピアニカ、伊藤家ハグちゃんの太鼓、タバリン、リコさんのカスタネット、他にもカリンバなど、みんなが楽器を持ってきて、演奏会。
 それぞれ持ち寄ったお酒や、ごかちゃんの落花生のおつまみなどをいただきながら、楽しいひとときを過ごしました。




レポート小山美佳江

7/27

◆早朝:みんなの畑

皆あたり前のように、4305:30起床で各々の畑に収穫・草刈・誘引などに向かう。

朝は虫もお腹を空かせているのか、虫刺されに悩まされた人、数名。

夏場は対策を考えないと。。。

今年の夏大発生をしているらしい、テントウムシダマシからナス科の植物を守るためには、朝露のある時間に灰を撒くとよいとのこと

             

◆田んぼへ移動

シャロムスタッフが草取りをしてくれたとのことで、自然農の田んぼとは思えないほどきれいな状態

  

先月1本づつ田植えした稲苗が多いものだと18本程度に分蘖(ぶんけつ)、稲の分蘖は扇形状に円く太っていく。分蘖は根から先に起こり、そのあとに地上部といったように進み、5月に植えた場合7月の終わりまで続く。分蘖が終わった後、出稲までは根を痛めないように田んぼには入らないようにする。

 

安曇野あたりの田んぼの場合、朝に水口を開け水を入れ、昼間は水温を暖めておくため水口を閉じる。関東以西暖かいところだと、昼間に水が温まりすぎるため水口は開けっ放しにしておく。

また、出稲時期は稲が水を多く必要とするため、多めに水を入れる。

 

自然農の場合1本の苗を間隔をあけて植え、根をしっかりと張るようにし、全てに稲穂がつくように仕立てる。一般の田んぼでは1箇所に数本の苗を植えるが、全てに稲穂がつくわけではなく、周りのものは風除けの役目をする場合もある。 

田植えの前に敷き藁をしっかり敷いておくことにより、草を抑えることができる。 

紀州雀の稗(キシュウスズメノヒエ)は田に残しておくとかなりの勢力で生長をするため、稲の生長を阻害する可能性があるので要注意! 

◆佐伯彰さんの自然農の田畑見学会 

自然農をはじめて7年目の田畑

第一声に『今年は面白いんです!去年までは他の人がうまくいかないといっているのが理解できないほどうまくいっていたが、今年は虫が多かったり、稲が分蘖しなかったりと問題が多いので、見所が多いですよ。』とおっしゃった佐伯さんが印象的。

佐伯さんの畑は特に畝などを作っていないので、歩く場所に注意が必要!

 

今年は、虫が多く、雑草までが虫に食われている。また、ねずみの被害がひどく何度も苗も食べられてしまい、きゅうり等は苗を使い切ってしまうほどだった。春先に蛇をあまり見なかったので、ねずみに天敵がいなかったのが原因かも。とのこと。 

里芋

昔田んぼだった湿けった場所で栽培。

里芋(種芋)はもみがら入れたダンボールで暖かいところに保存すると良い。

 

トマト

今年はトマトの定植を、1.(水やりが面倒なので)霜がこなくなった時期、2.“園芸書どおり” 1番花が付いた時点(1より2〜3週遅れ)、と2回に分けて行った。

結果としては、生育は1の方が良かった。園芸書に書かれているのは、あくまでも肥料を与える一般の栽培方法を前提としているため、自然農に当てはまらない部分も多いのでは?とのこと

 じゃがいも

じゃがいもの実を見せていただく、

じゃがいもは地上部に実(種子)を結ぶことがある。新しい品種を作るときなどは、異なる品種を交配させて実を結ばせ、種から育てる。 

3箇所の田んぼ

1.毎年不耕起の田んぼ   
 
  一度も草取りしないで、草があまり出ず。でも去年は草取り一度入る必要があり、今年も出るかと覚悟していたのに、全然出ず。
 
 2.去年代掻きして今年から不耕起の田んぼ
 
  水口に生えていた草(同じ草が、1の田んぼにも生えていたがこちらは稲と交代してかれていきました。秋ー春の草なので、水口で冷たかったので”この草”が、秋だと感じて枯れずに成長したのかと。稲のことではありません。)が田植え後も枯れず、稲を覆い隠すほどにまでなったため、その部分だけ一度草取りしました。他の場所は一度も草取りに入らず。去年は代掻きして、草が全然出てこないで、今年の3の田んぼと同じ状態。
 
 3.去年まで畑で、今年代掻きした田んぼ
 
  草が全然生えてこないし、成長も周りの稲よりもいいくらい。もちろん、一度も草取りには入っていません。


 

自然農のやり方で草取りに入っていないのは驚異です。
これは田植え後に米糠と大豆くずを撒いていることで除草がされているようにおもいます。
米糠大豆除草----- 田植え4日後に米糠とダイスを撒くと発酵して酸欠状態が生まれ除草されます。稲は水の上にでているので影響を受けません。近隣の有機農家でもこの手法を使って除草に成功しています。(臼井補足)

豆畑

草の中に大豆を蒔いただけで(土は特に被せず)立派な芽を出し、順調に生育 

最後に『失敗があってもそこそこ作物は取れますよ。あまり欲をかかないことです。』と語られた佐伯さん自然体でとても素敵でした。 

◆竹内さんの畑見学

田んぼ

シャロムの田んぼよりも半月早く植えられたそうで、かなり大きく立派に感じられました。去年あまり取れなかったとのことで裕子さんの一言で今年はかなり奮起したとのこと。 

様々な作物が元気そうに育っています。なすとピーマンは交配を防ぐため、交互に植えられていました。草が生えてくる前に自分好みの草(エンバク等)を植えしまえばいいとのこと。

 

最後に、貴重なトマトの原種ワイルド・チェリーを頂く。小さいながら、非常に甘く美味!

 

佐伯さんの畑と比べると、実験的な部分もあり、かなり積極的にいろんなことに取り組んでいるという印象を受けました。 

◆あづみの自給塾合同『自然農法センター見学会』

 テーマ『作物から学ぶ、見て触れる自然観察(自然農法)の極意』 

育種用圃場見学

育種用圃場とは、一般栽培とは異なる自然農(不耕起・草を這わせておく)に適した作物を作ることを目的とした試験を行っているところ。全ての畑が草生栽培で行われている。

 

自然農で作物を育てるときのポイント

  根はりの良い作物を育てることが大切

  野菜自身のやる気を起こさせる(作物にも感情がある!)

         本来その作物が育ってきた環境に近づける

         無肥料栽培の場合、他の生物との共存が大切。他生物の糞などが肥料になっている?

         野菜も人間と同じで、一生懸命なときは病気にならない 常に緊張感を与えることが大事

à 肥料を与えるなど、あまり環境を整えすぎると(甘やかすと)怠慢になり、頑張らなくなってしまう。

 

トマトの圃場

王様トマト『麗夏』から自然生えで生育したものを見せていただく。本来トマトは放っておくと直径6mぐらいの藪になり、そのあと実をつけるが、ここでは、スペースを考えて、一葉残しという形でトマトの木を仕立ててある。同じ『麗夏』から育ったものでもそれぞれ個性があり、その中から見た目の美しいものと美味しいものといった形でかけあわせを行っていく。しかし人間の思いどおりなるわけでなく、植物のなりたい方向に従ってみるという姿勢が大切だとのこと。

トマトを同じ場所で育てると土がトマトに合った状態に傾いてしまい、根はりが悪くなってきてしまうため、土を一定に保つ意味で、ここは、トマトà 小麦à 豆の順番で交互栽培を行っている。 

ピーマンの圃場

三郷の直売所で売っていたピーマンから自然生えで生育したもの。最初は1株しか出なかったが、そういったものの方が自然農に適した品種になる可能性があるとのこと。また、味の良いものは次々と味の良いものを生む可能性を秘めている。品種にしようとするとたくさん実をつけるようになり、益々良くなっていくようだとのこと。 

ナスの圃場

千両2号からの自然生えで生育したもの。ナスはもともと河川敷など水の潤沢なところで生育していた植物なので、乾燥に極端に弱く、葉枯れを起こしやすい。ナスについては、乾燥に強い品種を作りたいと思っている。 

在来種のキュウリの圃場

キュウリの木の形を見ると育った環境がわかる。

例えば

         砂地で乾燥した土地の場合à 株元を葉で覆い、草丈が低く、横へ広がっている

         低温地à 太陽を求め上に伸びる

         水分の多い土地à 葉がうすく、根を張らなくても育つため、茎も細い 

本来植物とはその土地の環境に対応する能力を持っている。

しかし、最近のキュウリの品種は環境に対応する能力がなく、病気にも弱く、人間が環境を整えてあげないと育たない。しかしそういった品種のものでも何世代かで本来の環境対応能力を持ったかたちに復活できる。 

メロンの圃場

マクワウリなどを除き、栽培が一番難しい作物

フランスの赤肉メロンシャランテで一世代目と二世代目の生育の差を見せていただく、

一世代目のものに比べると二世代目の生育は明らかに良い。

à 条件の悪いところに育ったものは良い次世代を生む

研究チームの圃場

自然農を経営として成り立つために研究している圃場

生産性をあげるため、ぼかし(EM菌・ヌカなど)、防草シートを使い栽培を行っている。

不耕起と耕起のトウモロコシ畑の比較、5年目を越えると不耕起の方が1.15倍程度の収量となる。 

質問など 

連作障害について・・・

連作障害は土壌生物の平衡が保たれなくなったときに起こる。野菜は本来、自身で土作りをやっているので、無肥料というのが収量は期待できないかもしれないが、土壌生物の平衡を保つことができ、一番安定をした形ではないか?

野菜の健全さは、節のつまり具合、葉の色、葉の厚みなどで判断できる。

植物には本来自然治癒能力が備わっている。

通常の畑を自然農の畑に切り替えるには?

         3年間、収量はあきらめる

         敷き草を多めにする あるいは作物をびっしり植えてしまう(畝間などあまり考えず)

à ネギの間に野菜を植えていく

à オカノリ、ロケット、アマランサスなどをすじ間に植える

à 豆類など穀類を入れるのも良い

花を自然農でできるか?

à 毎年勝手に生えてくるような草(オシロイバナやマリーゴールド)は土を肥やします。 

じゃがいも(キタアカリ)が今年全く取れなかったのだが何故か?

à キタアカリは病気に弱い品種、またじゃがいもの場合あまり耕しすぎると虫に対して弱くなるのではないか。

 

最後に、ペット栽培のお話をしてくださった中河原課長、作物に対するあふれんばかりの愛情を象徴するものでした。植物の声に常に耳を傾ける姿勢、感銘しました。。。

 

今回は、色々な方々の自然農に対する様々な姿勢・形を見られた盛りだくさんの2日間でした。

(細萱理子)