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2011.11.06 Sun
心地よい暮らし 11月5日
11月でここちよい暮らし講座もいよいよ最終回



今回はゲストに、伊那市にお住まいの小学校教諭、原郁雄先生をお迎えし現代社会と
貧困問題が私たちに問い直すものと題して 私たちの本来的なあり方 
現代が抱えているグローバル経済の問題点をわかりやすく 
そして対策として社会的なこと内面的なことの重要性もを語って戴きました。
またこども達を通して見える世界についてお話しいただきました。
「子供が変われば世界が変わる」

2011.11.5 心地よい暮らし講座 レポート

今回のテーマは「世界を知る」
講師は小学校教諭 原郁雄先生です。現代社会の抱えるあらゆる問題、貧困問題/環境問題などについて分かりやすく説明していただきました。
まず始めに、先生がお話しする内容は先生の主観であり、真理ではない。真理はそれぞれ個人の中にある、と前置きされました。そして、人間は「社会的存在」と「個人的存在」の二つの側面を持ち、自分にとって何が大切なのかを考え、社会問題と立ち向かうことが重要であると言われました。
世界の貧困問題は近年ますます裕福な国と貧しい国との格差が広がっているそうです。その原因は1980年代の新自由主義(民営化等)だと言われています。その結果、多国籍企業や、多国籍企業を有する政府に富が集中し、世界の資産の1/4を300の多国籍企業が占有している状況になっています。
1992年 地球サミットでの12歳のセヴァン・スズキの「伝説のスピーチ」を見せていただきました。とてもシンプルに、かつ真意をついたスピーチに衝撃を受けました。また、12歳の子供に教えてもらわないといけないなんて大人として恥ずかしくもありました。
「私たちは大家族。なのに、富を分かち合おうとしない。全て持っているも人は欲深く、何も持っていない人のほうが愛情深い。」
富を持つものはますます欲深く、自分の持っているものを手放そうとしない。その上、貧しい人から全てを奪おうとする。まさにこれが世界の先進国と途上国の現状です。
現在、ソマリアで砂漠化が進んでいるがこれは人災であると言われています。なぜなら、世界の環境問題/貧困問題を解決できる金額の4倍ものお金を、世界は軍事費に使っているからです。
地球は破滅の方向へお金をつぎこんでいると言えます。しかもそのお金は私たちの預貯金が流れていっているのです。私たちは知らない間に、世界の環境/貧困問題に加担させられているのです。
このような現状を踏まえ、私たちが今できることとはなんだろう?
それは、まず事実を知ること。
世界の問題と向き合い、自分の意識を変えること。
それから、行動をおこそう。
大きなことをする必要はなく、このような世界情勢を作り出している多国籍企業、政府のものを買わない(不買運動)。他国製品に頼らず自国の自給率を上げ、地産地消へ。自分の預貯金をろうきんや地方銀行へ、など、個人レベルでできること、自分ができることをやる。
そして、自分から周りの人へ情報を発信する。事実を周囲の人にも知ってもらおう。
自分が変わると、周りの人も変わる。子供が変わると大人も変わる。大人が変われば、子供も変わる。小さなところから大きな世界を変えていこう。
政府を動かすことは簡単なことではないが、自分のできることをやることで少しずつ世界を変えることができる。
個人は小さな存在でも、世界の一部であり、世界中の人とつながっていることを意識して生活することが大切である。
今回は本当にとてもいろんなことを知ることができました。衝撃的な事実も多く、自分の無力さに罪悪感を感じました。自分は偽善者だとも思えます。シェアリングで同じような感想をみんなが持っていたようで、安心した、というのはおかしいですが、同じようなことを考えている人がいると分かっただけで少し気が楽になりました。
一人ひとりのできることを、できる限りのことをやればいい。人それぞれには役割があり、私は自分の役割をちゃんと果たせるように努めたいと思います。それが世界を変えていくと信じています。

外務省国際協力局長賞
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/edu/contest/2010/award/report02.html

グローバル教育コンクール2010レポート より転載
長野県 駒ヶ根市立赤穂東小学校 原 郁雄 
実体験的学習の実感から支援活動をし、与えて与えられた私たち
はじめに 
このレポートは私が本校に赴任してから昨年までの5年間の活動です。 
○平成17・18年度(5・6学年担任) 
(ストリート・チルドレン宿泊体験・児童労働体験・マラウイ共和国援助・衣類援助 
・チャリティー喫茶店・募金など) 
○平成19・20年度(5・6学年担任) 
(ストリート・チルドレン宿泊体験・東ティモール援助・イラク援助・衣類援助・チ 
ャリティー喫茶店・募金など) 
○平成21年度(4学年担任)(チャリティー喫茶店・バングラディシュ支援・募金など) 

主な活動 
1,海外貧困問題を知り、学級講演会・映像視聴など学習活動の開始 
2,実体験的学習 
@ストリート・チルドレン宿泊体験 
A児童労働体験 
3,二つの体験から考え出して実施した支援 
@衣類援助 
Aマラウイ共和国支援 
B東ティモール難民キャンプ支援 
Cイラクの子ども支援 
4,支援のための資金作り 
@アルミ缶集め 
A太陽熱利用チャリティー喫茶店 
5,「あるべき援助」について考える 
6,意欲を持続させるための取り組み 
7,子ども達の意識・価値観の変化 (写真資料はまとめて巻末) 

概要 

○海外の貧困の厳しい実情を、本や映像・学級講演会等で学ぶ中で、子ども達の発案からその
実感を理解子するためにストリート・チルドレンと同じように学級全員で屋外に一晩泊まっ
てみた。予想以上に厳しい実感から子ども達は寒さ対策のための衣類支援活動に乗り出した。
○支援のための資金集めとしてアルミ缶集めと共に、太陽熱を利用したチャリティー喫茶店を
開いた。学校で作った太陽熱利用湯沸かし反射板でお湯を沸かして参観日に喫茶店を開いて、
客として来てくれた父母等に飲み物を出し、活動の願いを聞いてもらい、協力を訴えた。
○学んだ映像の中の「働く子ども」や「ストリート・チルドレン」が貧しい衣類を着ているの
を見て、子ども達はまず「衣類を支援したい」という願いを持ち、資金集めと衣類集めを工
夫し、NGOを通じて衣類を海外の貧困国に送った。しかし、支援した相手の反応になかな
か接することが出来ないという課題もあった。そこでその課題を克服するために、担任の私
が「JICA教師海外派遣プログラム」を利用して子ども達の願いである援助物資を直接ア
フリカのマラウイ共和国に持って行った。また、このマラウイ共和国の青年海外協力隊員の
方が現地の生徒と作っている「ビーズブレスレット」を地域の国際広場で販売し、マラウイ
・ルウェレジのエイズ孤児を支援すると共に、静岡の吉原商業高校と提携し、現地に「エイ
ズ予防保健センター」設立の協力をした。また、次の担任時は学年3クラスで取り組み、N
PO「地球のステージ」の医師Kさんと共に私も東ティモールの難民キャンプを訪問し、サ
ッカーのための用具を学年で支援し、同じくその反応を子ども達に持ち帰った。
○アフリカ・マラウイ共和国に援助物資を持って行った時は、ある小中学校では「依存心の元
になるから」と受け取りを断わられ、「援助は良いこと」と考えていた子ども達が、「物質- 2 -
援助は必ずしもいいとは限らない。どうしてだろう?どうしたらいいんだろう?」と壁にぶ
つかり、「あるべき援助とは何だろう」を学級全員で学び、話し合って考えた。
○この活動を続ける中で、地域の方々からはアルミ缶集めの際に応援され、衣類援助の運送屋
さんからの親切を受け、この問題に取り組むミュージシャンの曲からも意欲を与えられた。
○これらの活動を行うことで、子ども達は自分の価値観が変わったり、クラスの約束事が出来
たり、すさんでいた子が穏やかになったり意欲を発揮したり、学級のお互いの結びつきが強
まって団結するなど、他に「与えようとした自分たちが与えられた」という体験をした。

学習活動のねらい(担任の願い) 
○「この現実を何とかしたい」という思いを強めながら行動を積み上げて行ける。 
○こういったことを自分と同じように大事だと思って共に取り組む仲間と、思いを
共にして「一体感」を持ち、強め、思い合える集団を作っていける。 
○この日本社会の物や刺激に翻弄されがちな状況から抜け出して「思いやり等の人
として大事な感情」の大切さに気づき、それを大切にし、深めていける。

1,海外貧困問題を知り、学級講演会・映像視聴など学習活動の開始
(1)きっかけをつかむ・・・・「朝の1分間スピーチ」 (平成17年度)
毎朝の朝の会で、日中間の問題を発表した子をきっかけに、戦争の悲惨さや子どもの被
害の調べ発表が続いて行われた。子ども達の関心は「大変な子ども達」に行き、「戦火の
中の子ども達」から「貧困国の大変な子ども達」へと発表と関心が移っていった。
(2)きっかけをふくらめる・・・・愛知万博『フランス館』の利用(平成17年度)
長野県の5年生は臨海学習があるが、その頃ちょうど開催されていた「愛・地球博」を急
遽計画に入れた。下見に行き、海外貧困問題の願いに沿った映像を大型映像で見ることが
出来た「フランス館」と、環境問題を扱っている「日本館」を計画に入れた。
○一つは「日本館」「フランス館」両方での地球環境問題の深刻な状況の解説。 
○もう一つは貧困の中にある子ども達。「働かざるを得ない子ども」の過酷な労働の様子。
そして担任が一番見て欲しいと思っていた「ストリート・チルドレン」の映像。画面に
出てきたストリート・チルドレンは最後に泣きながら「僕なんて誰にも愛されない!」
と言う。この映像は子ども達に強い印象を与え、帰校後に子ども達は「あまりに自分た
ちと違いすぎて、驚いた」「何とか出来ないのか」などの感想を書いた。
(3)どんな活動がしてみたいか考え合う
ここまで、様々な情報を持ち寄って見合ったり、愛知万博という大きな場でも刺激を受
けた子ども達に、「ここからどんな活動をしてみたいか」と問いかけ、学級全体で今後し
ていきたいことを考え合った。
子ども達が考え出したことは、更にもっと知るための「学ぶ活動」、自分たちが何かを
してみる「体験活動」、相手への「支援活動」、また他に知らせ広めるという意味での「ア
ピール活動」だった。
(4)学ぶ活動
@フジテレビ『世界がもし100人の村だったら』をみんなで観る 【 写 真 1 】
◎“一発で分かる”映像のインパクトの強さ 【 写 真 1 】
学級の子がこの番組のことをクラスに報告した。そこで録画を入手して学級みんなで
観てみた。民放番組で、情報偏りにならないように担任も調べ、解説をした。
*家族のため「死の粉塵の炭坑」で8時間働く10才・11才の男の子の映像(南米)
*母の治療費のためゴミ山の中で毎日ゴミ拾いをする10才の女の子(フィリピン) 
◎インパクトの強い映像にショックを受け、思いの深いの感想を書く
○私は普通の生活がどれだけうれしいことなのか分かりました。このことを見て改めて
自分がこれからどうしていかなければいけないか分かりました。あの子達は、あんな
生活で絶望するのではなく、未来への夢を持っていました。だからずっとその夢を忘- 3 -
れず、追いかけていってほしいし、私もそれを一生けん命応援していきたいです。
○ぼくらはこんなにぜいたくで楽な生活をしていていいのか?こんなぼくたちが何ができ
るんだろうか。そして今、日本がアルベルト君たちに何をすればいいのか?ただ今は
考えるのでせいいっぱいだ。アルベルト君たちにもうしわけない。きっと何かぼくた
ちにできることがある。ぜったいぜったいある。ないわけがない。ぼくはぜったい何
かをしてあげたい。ぜったい楽にさせてあげるようにがんばりたい。まずみぢかなと
ころから、次にくらしの中で、次にみんなでできることから始めて、むずかしいこと
もどんどん取り組んでいこう。そうすればきっと楽にさせてあげられる気がする。そ
う、きっときっと。(学級の多くの子の共感を得た感想) ( R君 )
☆自分と同じ年代の子達が過酷な生活をしている映像は、非常にインパクトが強く、子ど
も達は本当に真剣な眼差しで観ていた。その後書かれた感想も、「自分の今置かれてい
る立場を今までにない初めての心の視点で見ているような感想を多くの子が書いた。 

A『明日こそ子ども達が・・・』を音楽会で(平成17年度) 【 写 真 2 】
☆「争いや貧困をなくして明るい明日を作っていくのは子ども達だ・・・」の歌詞の森
山良子さんの『明日こそ子ども達が・・・』は子どもの心情にピッタリと合い、「音
楽会で歌いたい」という声で子ども達は張り切って練習をし、気持ちを込めて発表。 
☆曲の持つ勢いもあり曲発表の工夫や「歌詞の調べ学習」も意欲的に進んだ。 

B「学級講演会」(平成17〜21年度 下記の3つは17年度) 
◎T先生(長野県看護大学講師・NGO「シャプラニール」所属) 
『バングラディッシュの子ども達』(バングラディシュでの7年間の様子のお話)
バングラディシュの厳しい現実と、講師の「よりたくさんもらった人たちは、よりたく
さんの責任がある」の言葉に子ども達は影響を受けた。 
◎Yさん(駒ヶ根市役所・青年海外協力隊OB) 『ネパールとそこの子ども達』 
◎コンゴ人S先生(青年海外協力隊 駒ヶ根訓練所教師)『コンゴの現実』 
コンゴの厳しい現実を話して下さった。向こうの子ども達が必要としている物は「文
房具」というお話しから、担任のマラウイ訪問の際の支援物資が文房具に。
(その他18年度〜21年度までにも日本人・外国人合わせて6回実施) 

C「地球のステージ」講演会の親子視聴 (平成18年度学級) 
○駒ヶ根青年会議所主催
(駒ヶ根には青年海外協力隊訓練所があり、「地球のステージ」はそこに定期的に来て
いる。市役所青年会議所などが中心に「協力隊を育てる会」があり、今回そこの実施)
◇海外ボランティア医師 Kさんの感動的なお話・映像・歌でのアピール 
○親子約50人で参加・・・父母にも活動を理解してもらうチャンスに。
◎子ども達の感想
○私は「地球のステージ」を見て、心に何かがささったように、心がいたくなりま
した。
○貧しい国だと思って見ていると、その国の人はあふれるような笑顔をしていまし
た。人間は笑顔で助け合っているんだと思いました。この「地球のステージ」は
く わ 山 さ ん と あ っ ち の 人 で 助 け 合 っ て い る 姿 が と て も か が や か し い と 思 い ま し
た。とてもよかったです。
○Kさんが言っていた、「援助して助けているのではなくて、こっちも助けてもら
っている。」というところで「あっ、私達も助けてあげているんじゃなくて、こ
っちも助けてもらっているんだ 」と気づきました。笑顔がすごいと思いました。
貧しいからこそ、私達とはちがう「宝」を持っているんだと思いました。
◎親の感想
○「地球のステージ」終わってしばらく声が出ませんでした。音楽と映像が見事にとけ
あって感動しました。実際に現地の人と交流した 241_手作り太陽電池パネルからさん
の澄んだ歌声が心の琴線に触れ、思わず涙がこぼれてしまいました。本当に良い催し
物を見せて頂いて感謝しています。
○感動しました。言葉にできない素晴らしい時間でした。命の大切さを改めて考えさせ
られました。あの子ども達の笑顔に救われる思いがしました。“笑顔は強い”- 4 -
○今日『地球のステージ』に出席したことを一生忘れることはないと思います。ステージ
が始まり、Kさんの音楽と映像に目と耳を向けた時、自分の中で感情が一気に変わり ま
した。Kさんの言うように、貧困の中にも涙を見せず一日一日を精一杯生きる子ど も
達の笑顔を見て、とても胸をしめつけられる思いでした。Kさんが風船で貧困の子 ど
も達とつながったように6年1組だけではなく、時代が変わるように次の時
代・世代 へとつなげていけたらいいですね。又講演があればぜひ行きたいと思います。 
2、実体験的学習
(1)「ストリート・チルドレン宿泊体験」 【 写 真 3 ・ 4 ・ 5 ・ 3 4 】
(平成15・16年度前任校)(平成17年度 19年度 本校・学級)
前任校では様々な貧困の実態を調べる中で、ある子がストリート・チルドレンの資料を
持ってきた。子ども達もストリート・チルドレンについて調べ、その実態の過酷さに驚き、
その驚きをエネルギーとして援助活動を始めた。そんな中、クラスのある子達が「ストリ
ート・チルドレンと同じように泊まってみよう」と言い出した。この意見はその発想の奇
抜さから賛否両論の議論になった。初夏でも長野県の夜はコンクリートは冷る。子どもの
健康度は様々。過酷な条件で寝て、もし病気になる子が出たら。もし、事件等に巻き込ま
れたら。普通に考えたら無謀な取り組み。父母や学校関係者の中にも不安の声があった。
担任の私も迷った。しかし私の中にはこの頃ある葛藤があった。私達は海外の貧困問題に
どうやったら対等に向き合えるのかと。この先進国の何不自由のない生活の中でする援助
活動とは“自分達のゆとりの部分で行う自己満足”になってしまわないだろうか、という
何か“後ろめたさ”のようなものを感じていた。(そしてこれは子ども達も感じていたの
かもしれない。)私と子ども達は数人の父母の協力もお願いし、「実行」を決めた。前任
校の時はクラス討論を重ねた結果、7月という季節から学校屋外の渡り廊下(露天)にダ
ンボールと毛布のみで寝る。食事は「朝晩食パン1枚と水だけ」と決まった。本校の時は
やはり臨海学習や調べ学習から関心を持ち、担任が「こういうことも出来るかもしれない」
と話すと、クラス討論で是非やりたいとなった。時期は10月初めで玄関の外と中に分か
れて寝た。当日夕方は、パンを食べたり寝る準備をしている間はまだややはしゃいでいた
が、いざ寝始めると、7月・10月初めといっても長野県も屋外の夜のため、ダンボール
の下のコンクリートの堅さと外気の冷たさが徐々に子ども達の体に伝わって来た。何度も
寝返りをうったり、一旦寝ても起き出す子ども達の顔からは最初の“お泊まり気分”の表
情は消えていった。朝の起きて朝食のパン 1 枚を食べた子ども達が書いた感想は次のよう
なものだった。
「痛い・寒い・眠れない」 
「たった1枚のパンがいつもよりずっとおいしく感じて驚いた。」 
「布団がこんなに大事なものだとは思わなかった。」 
「寒くて怖かった。家に帰りたかった。これで帰る家がないなんて・・・・。」 
「こんなことを続けたら病気にかかって死んでしまう。ここより危険なところで寝ているな
んて信じられない。」 
「 な ん か 不 思 議 な 感 覚 で し た 。こ の ダ ン ボ ー ル を も ら う だ け で も ス ト リ ー ト・チ ル ド レ
ン は 苦 労 し て い る と 思 う と 、自 分 が こ の 状 態 で ね て い ら れ る の は 幸 せ と い う こ と に 気
が つ き ま し た 。と て も 大 変 な く ら し だ と 思 い ま し た 。自 分 た ち が や っ た こ と は 絶 対 ム
ダ に な ら な い と 思 い ま す 。こ の き ち ょ う な 体 験 を ム ダ に し な い で 、こ う や っ て 生 き て
い る 人 達 に 何 か で き る こ と は な い か 考 え て い き た い で す 。 」 
「 食 事 と い う の は 本 当 に ど れ だ け 大 切 な も の か と 思 い ま し た 。 」 
※これは非常に強烈な体験といえると思われる。
実際、長野県の夏・初秋とはいえ夜中の屋外は冷え込み、その上コンクリートの堅さは段
ボールを通して体に伝わり「寒い・寒い・眠れない」という三重苦という感じだった。こ
れはよく眠れてしまったら失敗、よく眠れなかったら目標達成という、普通とは逆の体験
となった。子ども達はこの一晩で「ストリート・チルドレン」と言葉で言うのは簡単だけ
ど、その実態は自分たちと途方もなくかけ離れた大変さがあることを文字通り「身をもっ
て」実感した。この体験とその実感理解の影響は大きく。その後の「支援活動」への覚悟
の堅さと意欲の持続に一番大きな影響を与えた。 - 5 -
(2)「働く子ども体験」(平成17年度 学級) 【 写 真 6 】
きっかけはTV『世界がもし100人の村だったら』の児童労働を見て。「あまり
に自分と違う生活」を知った驚きから「自分の生活」の見返しを始め、「あの子達ほ
どでないにしても“働く”体験をしてみたい」とクラスの意見はそろった。そこで、
“働かせてくれるところ”も自分たちで探し、父母の勤め先から探し出し、 
@「ふれあいセンター」で花壇整備の草取り「2時間半休みなし」で、また
A「県成人授産施設」で田んぼに切った藁まき「2時間休みなし」で行ってみた。
◎「実体験・・・・子どもの実感を深める。」
☆「きつい!」「見るとやるとは大違い」「8時間働く子どもなんて信じられない」
※ 2時間半でも「休みなし」の労働はかなりバテたようだった。働くことがどれだけ大
変か、自分の体で身をもって分かった感じが見て取れた。この体験も児童労働の子達
への理解と、その後の活動のエネルギーになっていった。
(3)子ども達に生じた変化
この体験を経て子ども達にはある変化が現れた。支援資金のためのアルミカン集めでそ
れまで 40 分もすると「疲れた」と言う子もいたのが、この体験後、誰一人として一切弱音
を吐かなくなった。「一晩だけでもあんなに大変だったのに、同じ年齢でそれを毎晩して
いる子達のためにする活動で弱音なんか吐けない」と思ったのだろう。
3,二つの体験から考え出して実施した支援活動 
(1)衣類援助(平成17・18年度学級 19年度学年) 【 写 真 7 ・ 8 】
学んだ映像の中の「働く子ども」や「ストリート・チルドレン」が貧しい衣類を着ている
たことも印象にあったが、子ども対は何よりも「ストリート・チルドレン宿泊体験」をした
晩、夏や初秋でも何枚かの衣類を着ていても「寒かった」ことに実感として驚いた。「衣類
がなければ夜の寒さで病気になって死んでしまう」と感じた子ども達がまず「衣類援助」を
選んだのは、自分たちの体験的実感から生まれた必然的で切実感のある決定だった。衣類は
どうするのか、送る資金は?といった問題を子ども達は真剣に話し合い、試みていった。
衣類は自分の親宛に「お願いチラシ」を書き、それを元に子どもが親や近所・親戚・隣の
クラスなどに協力を求め、2年間に3回で合計「約400s」の衣類をNGOに送った。
担任が見ていると、子ども達はこの「衣類発送」の時一番嬉しそうな表情を見せる。それは
たぶん「自分たちのような小学生でも、海外の貧困問題のために少しでも働きかけることが
出来たんだ。」という達成感と喜びを感じ、自分の中の前向きなエネルギーと思いを信じら
れたからだろうと思われる。(NGOは大阪・神戸(倉庫)の「日本救援医療センター」)
◎実支援の達成・・・・子どもに満足感と自信を与える (子どもの感想)
○「送れてやっとしえんができた。うれしかった。」 
○「衣類を送り出したときの気持ちを大切にしたい。」 
○「この衣類で寒くて困っているストリート・チルドレンが何人も助かると思うと、や
って良かったなぁって思う」 
(2)アフリカ・マラウイ共和国への支援 (平成18年度 学級) 
@マラウイ共和国に援助物資を届ける 【 写 真 9 ・ 1 0 】
子ども達と行なった支援活動の課題の一つに「相手の顔が見えない」ということがあった
。この打開策として担任の私が「支援物資」を届け、その反応を持ち帰ることにした。J
ICAの「教師海外研修プログラム」に担任が応募し、その書類選考に通ったこと知ら
せた時、学級の子ども達は自分達の支援物資が直接届き、反応も見られるということで大
喜びした。 
「支援物資」はサンバさんの講演でのお話から「文房具」「サッカーボール」とし、受
け取ってくれた相手の表情をアフリカから写真やビデオで担任が持ち帰り児童に見せた。 
◎支援した相手の反応・表情は・・・・自分を見返させる
○「鉛筆やボールペンやサッカーボールをもらうとき、みんな笑顔で手をたたいている人
もいました。マラウイの人達は大切に使ってくれると思います。それを想像するだけで
心があたたかくなります。自分達がやってきたことで誰かが喜んでくれることは自分も- 6 -
うれしくなります。今回、喜んでくれた相手の表情を見られて本当に嬉しいし、これか
ら援助していくとき、今よりもっとがんばれると思います。」 
○「喜んでくれている写真を見て、私達先進国にいる人は何かを始めなければいけないん
だ!と強く思いました。私達にはない“笑顔”だと思いました。この笑顔が消えていく
のは本当にもったいないことです。だから私は、卒業しても大人になってもずっとこの
活動を続けていきたいし、こんないい笑顔を持っている子達が満足できるまでしっかり
生きていて、この笑顔が世界中に広がってくれればいいなと思いました。」 
○「鉛筆1本を喜んでくれる写真を見て、すごいな〜と思いました。これからもっと物を
大切にしたいと思いました。」 
○「あの笑顔を見て、日本の子どもがどれだけゆうふくかも分かりました。」 
○「マラウイの人を見習って僕も文房具を大切に使いたい。」 
○「逆に支援した僕たちがうれしかったです。写真でマラウイの人達の顔を見て、心が温
かくなったような気がしました。大人になったら働いたお金でもっと援助したいです。
地球に生きる何十億というみんなが幸せに生きていけるようにしてみたいと思いました
。」 
○「援助のための費用を用意するのにアルミカン集めをしたりして、とても大変だったけ
ど、この活動をしてマラウイの人達の笑顔につながったのでよかったです。」 
☆後の記すように、「物質援助」は相手の自立心への阻害や、「支援というものがそう
いうものでいい」という固定観念に陥る可能性など様々な問題点がある。しかし、この
相手の反応に接した場面では、この発達段階の子達が「自分の持った思いや問題解決へ
の意欲や熱意を深め、強めると」いう意義があるように思われる。また「自分も物を大
切にしたい」という、自分の生活感覚を見直すことにつながっている点も収穫だった。

Aその他のマラウイ共和国学習 【 写 真 1 1 ・ 1 2 ・ 1 3 】 
支援物資を届けるだけでなく、担任が撮ってきた写真で「フォトランゲージ」を行った
り、マラウイについて調べて「マラウイボックス」(現物を見る)、「貧困の輪」等のア
クティビティーを行い、担任が持ち帰ったマラウイの主食であるトウモロコシを粉にした
「シマ」を煮て調理し、食べてみるなど、訪問資料を生かした学習を様々してみた。

Bルウェレジ中高等学校への「エイズ孤児支援」 【 写 真 1 4 】 
〜ルウェレジ中高等学校生徒が作ったビーズブレスレットを販売〜
○駒ヶ根市「国際広場」への出店要請を受けて、ブースを出し、「貧困クイズ」と「活動
の紹介模造紙展示」に合わせて行った。 
◎担任が訪問したマラウイ・ルウェレジ中高等学校ではエイズ孤児が増えていた。そこに
赴任していた青年海外協力隊の尾崎隊員は、エイズ孤児となって学校に来られなくなっ
た友達を学校に呼び戻すためにそこの生徒と共に「ビーズブレスレット」を作っていた。
訪問時にこの活動と提携の可能性を考えた担任がそのブレスレットを持ち帰って子ども
達にその話をしたところ、子ども達はチャンスがあったら売りたいと希望を持った。
ちょうど、駒ヶ根市の国際広場でのブースの誘いがあったため、共にマラウイに行っ
て同じように販売をすることになっていた静岡の吉原商業高校と協力をしてマラウイの
尾崎隊員からビーズブレスレットを届けてもらい、販売。ビーズブレスレット「90個」
を18000円で完売し、マラウイ・ルウェレジの尾崎隊員に届けた。 

C マ ラ ウ イ 「 V C T セ ン タ ー 」 建 設 と T V 会 議 【 写 真 1 5 ・ 1 6 】
マラウイ支援で提携した静岡の吉原商業高校の部活チャレンジショップ「吉商本舗」の
活躍のお陰で本学級と吉商本舗で合わせて20万円(本学級は2万円余)でマラウイのル
ウェレジに「エイズ予防センター(VCTセンター)」が完成した。この完成の記念に「マ
ラウイ」−「静岡」−「駒ヶ根」(本校)をネット回線で結んで「TV会議」をした。
これは県と国を超えて会話できたことでつながりの手応えと今後の活動への励みになっ
た。

(3)東ティモール支援(平成19年度 学年3クラスで) 
【 写 真 1 7 ・ 1 8 ・ 1 9 】
この年、5学年3クラスで「貧困支援学習」をスタートした中で、担任(原)がNPO法人
「地球のステージ」のスタディーツアーでK医師と東ティモールに(7/26〜8/3)行け
ることになり、そのことを学年に話すと「支援したい」ということになっり、Kさんと連絡を- 7 -
取る中で難民キャンプの子達にサッカーを教えるため、支援物資が「サッカーボールとビブス」
と決まった。子ども達がアルミカン集めで貯めた支援金の中から買って持っていった。
この学年でも海外の事情をビデオで観て、その衝撃からユニセフ募金や衣類援助を始めてい
たが「相手の反応が見える支援」として初めて“特定の相手への支援”となった。
夏休みに行って相手の反応をビデオに納めて来て見せた。子ども達の感想は、
○私達ががんばってアルミカン集めをして買った「ビブス」と「サッカーボール」を使っ て
くれて、とてもうれしかった。なん民キャンプの子ども達は、私達のようにいつも遊 べるよ
うな感じではなかったから、そうとううれしがっていて、私達の方もうれしくな った。東テ
ィモールで木でサッカーゴールを作ってくれた現地の大人の人、心配してく つを買ってくれ
た人達には感謝したいです。これからも、出来ることはやっていきたい です。服も無事に届
くといいです。 
○私は夏休み中に東ティモールの人達がちゃんと私達で買ったボールとビブスでサッカー を
やってくれるか心配だったけど、今ビデオを見てすごくうれしくなりました。
○その後、こういった国への“医療援助”の意味を考えるために、担任が現地で撮ってきた医
療現場の映像とK医師の「インタビュービデオ」で、「医療とは?」「ボランティアとは?」
について深く考え合う学習をした。 
(4)紛争国イラクとその国の子どもへの支援活動学習 (平成19年度学年全体) 
@Nさんの講演会を企画 【 写 真 2 0 ・ 2 1 】
県内千曲市在住で、松本市のNGO「JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)」
に所属しているNさんとい方の情報を学年の子ども達が調べてきた。ちょうど駒ヶ
根市に来られるということだったので講演会をお願いし、「イラク・ヨルダンをはじめと
した紛争国とその国の子どもについて」という題の講演を学年3クラスでお聞きした。N
さんはイラク戦争の劣化ウラン弾などで被害に遭い、ヨルダンに逃れて病院に入院してい
る子ども達の支援をしておられた。イラクの子ども達の大変な様子に児童は熱心に聞き入
った。講演会で「現地の子ども達は日本からの“がんばって”という絵や作品をとても喜
んで大事にして、元気づけられている」というお話をお聞きし、学年の子達も「その支援
をしたい」とNさんに伝え、支援活動をすることになった。Nさんと相談した支援内容は
A、絵手紙各自2枚・・・・現地のNさんに送って現地のカレンダーと組み合わせ、
「絵手紙カレンダー」にしてもらい現地の子ども達に届けた。
B、貼り絵各自1枚 
C、習字各自1枚 学年90人で計360枚をヨルダンに発つNさんに預けた。
◎子ども達が絵と共に届けたメッセージ
○苦しいと思うけど、元気でがんばってね。 ○応援してます。 ○ファイト!ネバー・
ギブアップ! ○笑顔を忘れないで。 ○がんばって
○僕達がいっしょうけんめい描きました。 ○この絵を見てがんばって下さい。
○苦しいかもしれないけど、がんばって下さい。
○イラクの人達の事を考えていっしょうけんめい心を込めてがんばって作りました。大事
に持っていて下さい。
○元気になってもらうように、喜んでもらえるように、気持ちを込めて、心を込めて作り
ました。
○ぼくは桜の木をとてもがんばって描きました。その桜の木を見て元気になってほしいで
す。そして元気になったら、大きな夢を持ってほしいです。
○僕は希望を持って欲しいです。毎日貧しい生活をして希望をなくしている人がいます。
だから僕達が描いた絵で希望を持って欲しいです。
○私は自分たちの絵や習字を見て、イラクやヨルダンの子ども達が「よしっ!!明日もが
んばっていこう」と元気になって明日に向かって生きていてくれたらすごくうれしいな
ぁと思います。病気で希望・勇気が出ない子ども達がその絵を見てよろこんでくれたら
いいです。
○とてもていねいに描けたので、イラクの子ども達はすごく大切に取っておいてくれた 
らいいなと思った。そして悲しい時もくやしい時も見て元気になってほしいです。
A相手の「気持ち」への支援 〜Dさんを知って〜 
現地に行ったNさんから、劣化ウラン弾の影響による喉頭ガンの少女「Dさん」
が自分たちの絵や写真で元気を出してくれたことを知り、子ども達は自分達が「役だっ- 8 -
たうれしさ」を感じることができた。 
Nさんが伝えてくれた「Dさん」の様子 
1週間後、治療が無事終わってアパートで休養しているDに会いに行くことになりました。
実は、前の日にお父さんから「治療は無事終わったのに、ほとんど物も食べない。元気が出
るよう何かいいアイデアはありませんか?」と言われていました。ちょうど、カレンダーが
出来上がっていました。それと、先生からインターネットでヨルダンに送ってもらったみな
さんの写真をプリントアウトしたものを持って行きました。
治療前とちがって、Dは真っ青な顔をしていました。でも、カレンダーを見て「これどうや
って作ってあるの?日本はいつもこんな花が咲いているの?(貼り絵)」「これって日本語?
なんて読むの?なんていう意味?(「道」の習字)」写真を見て「この子どもたちが作った
の?日本の学校ってなんの教科を習うの?」「日本の写真見せて!」とすっかり元気になっ
てきました。「これはあなたの好きな絵が12枚入った、あなたのカレンダーよ。あさって
から1年間使えるよ(プレゼントしたのは6月29日、カレンダーの日付は2008年の7
月から始まって1年分です)」とプレゼントすると「え?私がもらっていいの?バグダッド
のきょうだいたちにも見せる!!写真ももらっていっていい??」と大喜びでした。
実は、他のイラクの子どもにも見せるため、写真をあげるつもりはなかったのですが、しっ
かり胸にだいているので「返して」とは言えず、プレゼントしました。カレンダーと皆さん
の写真はその3日後、無事、治療が終わったDと一緒にバグダッドへ旅立ちました。
○Nさんからの封書にはDさんの描いた絵も入っており、学年の子ども達は、更に元
気になって欲しいという願いからもう一度Dさん宛の絵を描き、学級毎の写真も同封
し、「がんばって」というメッセージと共に送ったヨルダンのDさんに送った。 
4、資金集め活動 
(1)資金としてのアルミカン集め (平成17年度〜21年度) 
(平成17・18年度は1年10ヶ月で 約95000円) 
【 写 真 2 2 ・ 2 3 ・ 2 4 】
支援活動をするには「資金」が必要となる。「自分たちの願いを形にするために、直面す
る課題・障害向き合い・取り組み、これを克服して実現して行く」とことは、「総合的な学
習の時間」の大切な中心的なねらいである「生きる力」をはぐくむ大事な側面である。
初年度の17年度、学級の子ども達は話し合って様々な案を出し、各案を検討した結果、
本校の児童会が以前から行っていてある程度の現金収入につながる見通しがもてる「アルミ
缶集め」をすることにした。そして、その方法も大きく二つを考えた。
A、全校のクラスに主旨を説明して協力依頼 
こ れ は 、 こ う い っ た 海 外 の 問 題 が あ る こ と を 全 校 の 児 童 に 知 っ て も ら え る と 共 に 、
@ こ の ク ラ ス で 取 り 組 ん で い る こ と と A こ う い っ た こ と に 小 学 生 で も 働 き か け が 出 
来 る 、 と い う 2 点 を 本 校 の 他 の 児 童 に 知 ら せ ら れ る と い う メ リ ッ ト も あ る と こ ろ が
良 い 案 だ と 子 ど も 達 は 考 え た 。子 ど も 達 は 主 旨 を 書 い た『 お 願 い チ ラ シ 』を 作 成 し 、
給 食 の 時 間 を 使 っ て 全 校 の 全 て の ク ラ ス に 教 室 訪 問 し 、 海 外 の 現 状 と 協 力 へ の お 願
い を 訴 え た 。 全 校 の 児 童 に 持 っ て き て も ら う 期 間 は 1 週 間 と し 、 毎 朝 児 童 玄 関 に ク
ラ ス の 子 が 交 代 で 立 っ て 全 校 の ク ラ ス の 子 達 が 持 っ て く る ア ル ミ 缶 を 受 け 取 っ た 。 
B、授業時間、また休日なども利用して学校周辺の家庭から集める。
事前に主旨を書いた「お願いチラシ」を配った。子ども達は「資金」もだが、「意欲
や勇気」を地域の方々から受け取ることが出来た。(詳細は後述6(1)Aで)
また、このアルミ缶集めは男女混ざりの班で行うため、男女の仲や学級の中が良くなる
というよい影響もあった。子ども達自身も「服を送りたい」という目標があるためと、
「大人に働きかけられる」という日頃出来ないことを新鮮に感じ、楽しみながらやっていた。
◎ 日 記 よ り 
○ 今 日 は ア ル ミ カ ン 集 め で し た 。私 は「 ア ル ミ カ ン く れ る か な 」と な ぜ か ド キ ド キ し て
い ま し た 。そ し て 行 く と い 〜 ぱ い ア ル ミ カ ン が 置 い て く れ て あ り ま し た 。 私 達 は 「 あ
り が た い 。 あ り が た や 〜 。 」 と 言 い な が ら も ら い ま し た 。 本 当 に あ り が た い と 思 い ま
し た 。 
○ 「 雨 の 中 大 変 だ ね 。 ご く ろ う さ ん 」 と 言 っ て く れ ま し た 。 そ の 言 葉 が 心 の さ さ え に
な っ た の か 、 が ん ば っ て 集 め ら れ ま し た 。「 家 に も ま だ あ る か ら 持 っ て く る よ 」 と か- 9 -
「 ち ょ っ と で ご め ん ね 」 と か 「 が ん ば っ て ね 」 と か 「 ま ず し い 人 た ち を 助 け て あ げ て
ね 」と か 言 っ て く れ る 人 が い ま し た 。こ の 地 い き の 人 た ち の 協 力 と 、 4 年 1 組 で ま ず
し い 人 を 助 け て あ げ た い で す 。 
(2)太陽熱利用チャリティー喫茶店(平成17年度〜21年度) 
【 写 真 2 5 〜 3 0 】
本校は、私が環境教育の係になってから、東京の(財)省エネルギーセンターの支援を受
けて「省エネモデル校」となり、様々な省エネ活動に取り組んできた。その一環として、冬
に南窓から差し込む日差しを集めてお湯を沸かす「太陽熱利用湯沸かし反射板セット」を木
工屋さんの協力を得て全校で60セット用意して、各教室に2セットずつ置き、冬場の清掃
のお湯に利用し、地球温暖化防止のためにボイラーのガス消費を押さえてきていた。
この「太陽熱利用湯沸かし反射板セット」は冬の晴れた日に窓側に置くと、60〜65度
にまでなる。この装置を見た子ども達は「これで喫茶店をやって資金集めをしたらどうか」
と言い出した。子どもの発想の柔軟さに感心した。「お客さんはどうするのか?」という教
師の質問に「参観日に教室でやって家の人にお客さんになってもらえばいい」という案が出
た。それでお金をもらうのは厚かましい気もするが、自分たちの活動の願いや主旨をよく説
明して、来てもらったらがんばって接待しようということになった。
この活動は「当たり」であった。何より「楽しい」。この分野の活動はややもすると倫理
的でストイックに傾く傾向があり、それも大事なことだが小学生の発達段階には合った楽し
さもある面必要である。この「太陽熱利用チャリティー喫茶店」は、自分たちの真剣な目標
と楽しさの両方を兼ね備えていた。それは単なる楽しさではなく、飾り付けや、メニュー・
看板・招待状・室内作り・お茶入れ・ウエイトレス活動など、自分たちの「独創性が発揮で
きる」という創造的な楽しさである点が、児童の前向きな姿勢をも生み出した。
児童は各係活動を独創的に考え出し、準備し、前日には女子がクッキーを焼いて持って来
て、当日は緊張と共に張り切って飲み物を入れ、お客さんの父母・祖父母・いままで活動で
お世話になった方に出し、お客さんが多くなったときには「アピール係」がこの活動の主旨
や今まで自分たちが勉強してきたこと・海外の貧困状況がどうなっているかなどを、模造紙
やビデオを使って、お客さんに飲み物を飲みながら見たり聞いていただいた。収益も、売上
と募金を合わせて約1万円ほどになり、子ども達は大きな達成感を感じた。
5, 「 あ る べ き 援 助 」 に つ い て 考 え よ う 
活動を進める中で、どこかの場で「あるべき援助」について考え学ぶ場が取れればいい
と考えていたが、アフリカ・マラウイ共和国で担任が持って行った「学級で準備した支援
物資」の受け取りを断られたことは「なぜ物質援助は時として良くないのか」を学ぶ良い
チャンスになった。初めに、その時の現地の学校で言われた「物資を受け取ると、ただで
さえ依存心が強く意欲的でない子ども達が、更に依存心が高くなってしまうので受け取れ
ません」という理由を伏せて「断られた学校もあった」と私が話したところ、子どもたち
は「エー!何で!?」と驚いた。それまで子ども達にとって「物質援助=良いこと」であ
ったからだった。「だだ物を与える」ことで生ずる問題への直面として、この事実は「本
当のあるべき援助とは」を考えるための願ってもない機会だった。
そこで、5年生時に一度図書館資料で「貧困の原因」や「途上国と先進国との貿易」「多
国籍企業の働き」などを学習していたが、まずもう一度ここで「貧困の原因」を勉強する
ことにした。教材は担任がマラウイ共和国に行く前の研修で中部JICA(名古屋)の研
修で入手したビデを使用した。これは『あいのりアフリカ』の題名で「緑の革命」や「ア
グリビジネス」など食糧問題がもたらした負の功罪を解説する物だった。
( 1 ) 「 貧 困 の 原 因 」 を 考 え よ う 
VTR『あいのりアフリカ』で、エチオピアの孤児施設所長が「貧困の原因」としての
“先進国の責任”を話すのを見て、感想を書き、発表しあった。 DVD
○日本がしもふり牛肉をつくるためにこくもつを買い占めて牛に8kgの穀物を食べさせ
て1kgのしもふり肉を使うなんておかしい。それならアフリカの人達に8kg食べさ- 10 -
せたほうがいいに決まってる。これは貧しい国を苦しませるようなものだ。
○先進国がちょっとぜいたくをやめて解決することなら、私はもうぜいたくはしたくない
○私はこのビデオを見て、見直すべき事をたくさん知りました。地球に住んでいる人々全
員が関わっている問題です。なので、興味があるとかないとかそんなんじゃなくて、先
進国の人がこのじょうきょうを直すカギを持っているんだと思います。だから一人一人
が少しでもいいから何かを始めてくれるといいです。
○アフリカが昔のように自分の土地を持ち、幸せになってくれるとうれしいです。
☆本クラスの子達は約1年前に学校図書館の本で、貧困の原因について学習したが、今
回は映像を伴って見たためより深く理解したようである。ここから自分や自分達の責
任を見つめ直したことが収穫だった。この学習は次の「マラウイの人々のためになる
「本当のあるべき援助って何だろう?」につなげるために有効な学習だった。
(2)なぜ「支援物資」は断られたのだろう? 
再度「貧困の原因」を考えた後、「なぜ支援物資が断られたのだろう」という疑問につ
いて、話し合う形で考えてみた。先進国の「多国籍企業の動き」などを学んであった子ど
も達の話し合いは以下の通りだった。
◎「本当の支援」は難しいんだ・・・・ジレンマが子どもを鍛える
教師:どうしてみんなの用意した「ノートや鉛筆やサッカーボール」は受け取りを断られた
と思う?
○う〜ん(しばらく考え、なかなか出ない)
○平等に分けられないからじゃない?
○これまで、貿易やなんかで先進国の会社に利益を取られたりして、先進国が嫌いなんだよ。
○先進国の人を信じたくないんじゃない?
○だまされると思うのかな?
○「競争心・向上心のために使ったらどうか?がんばったごほうびにする」
○「先進国の私達の気持ちを手紙で伝えたら?」
○物をもらうと、それで頼っちゃうからじゃないかな。
○自分たちで頑張る気がなくなってっちゃうからじゃないかな。
○「援助を必要としない国にする」のがやっぱり大事なんじゃない?
☆子どもたちは最後の方にでた「依存心の元になるから」という意見に納得していき、「援
助」という行為の難しさを初めて考えることができた 

(3)「本当のあるべき援助」って何だろう? 
本クラスにとっては、この「担任のマラウイ行き」は当初から「支援物資を届ける相手の
反応」が学習の中心であったため、この問題を考えることこそが最終学習目的と言える。
○「援助を制限したらどうか?」
○「やる気が出ないのは栄養が充分じゃないからだ。食料こそ援助すべきじゃないか?」
○「食料援助」でやる気がでるとは限らない
○今度は「食料に頼って」しまうんじゃないか?
○先進国に作らされている「商品作物」を買わないようにしたらどうか?
○いきなりそんなことをしたら国がつぶれてしまう
○じゃあだんだんやったらどうか?
○「商品作物」を作っているのは「契約農園」だからそこをやっている先進国
の会社を解散させるべきだ。 (賛成あり)
○「昔は農業をしていて、飢えている人はほとんどいなかった」ってビデオで
言っていたから「自給自足の生活」が出来るように応援するのがいい。 
(賛成多数)
○その「農業の作物」を先進国が高く買ってマラウイを支えてやるのがいい。
(賛成多数)
○高く買って上げても、国の借金を返すので消えていってしまうんじゃないか?
○先進国が借金を減らしたらどうか? (賛成多数)
☆この学習単元のクライマックスである。難しい問題で、議論は普通6年生のレベルは超え
ていると思われる。班討論はよく健闘して出したが、その後の「商品作物〜自給自足〜借- 11 -
金免除」についてはさすがに“社会的思考の強い子達”の意見交換が精一杯だった。しか
し、発言できなくても全員がお互いの意見に耳を傾け、よく集中して考えており、出た意
見について同意かどうか何度か挙手で確認をしながら進み、クラスとしての考えをまとめ
ることが出来た。
◎小学校6学年でこの部分まで踏み込めたのは、一般論としてではなく、「自分たちが話し合
い、汗を流して資金を貯めた用意した支援物資が断られた」という切実感・現実味・当事
者感があったからだったように思われる。自ら行って考えることが大切であると思わされ
た。
6、意欲を持続させるための取り組み 

(1)子ども達への支援・応援(勇気・意欲をもらう)〜思わぬ応援・心の交流〜 
@運送屋さんとの交流 【 写 真 3 0 】
衣類援助で衣類の「送付」に「ヤマト運輸・飯田支店さん」にお願いしたところ、活動主
旨を理解してくれて18000円かかるところ「1500円でいい。」と言って送ってく
れた。後日、子ども達が出したお礼の手紙を飯田支店が中部本部に知らせたところ
「中部本部」から「飯田支店」に 
「いいことをしてくれた。逆に私達が感動させられてうれしかった。今後もこういう
ことがあったらいくらでも協力する。子ども達に『感動しました。ありがとう』と
伝えて下さい。」
この知らせを聞いて子ども達は、この問題は大人の人も重きを置いて大事に考えてくれる
問題であることを、感謝と喜びと共に実感することが出来た。 
A「アルミ缶集め」で地域の方が強力と励ましを 【 写 真 3 1 〜 3 4 】
事前に「主旨を書いたお願いチラシ」を配るため、地域の方は、こういった海外の貧困
支援のためという主旨を理解してくれ、「がんばってね」といったようなメッセージを袋
の貼り付けてくれたり言葉をかけて下さった。また、回が重なるとこの学級の子ども達の
ためにアルミ缶を出さずに貯めて待っていてくれる家や事業所も出てきてくれた。また、
地域の役員の方が、「そういうためのアルミ缶集めなら君たちの方にあげる」と地域で集
まったアルミ缶を持ってきてくれたりした。
また、ある時は、中学校のアルミ缶集めの後だったため、病気の震える手で「これを使
って下さい」とメモを書いた上に「貯金箱」を置いてくれてあったおばあちゃんもいた。 
☆こういった社会の賛同・協力は、子ども達に「自分たちがしていることは社会の人達も応
援してくれることなんだ」「そういう大事な意味のある問題なんだ」という確信と意欲や
応援してもらえたことへの喜びや自信が与えてもらい、この地域の方々とも交流できた。 
(2)入ってくる情報を最大限に活かす。 
〜ミスター・チルドレ 『 タガタメ 』を聴いて〜 
活動しながら子ども達といろんな情報を持ち寄る中で、担任の私がNGOのある方から環
境活動に融資をするミュージシャンによる市民バンク「ap bank」の存在とミスター・チルド
レンの『タガタメ』という曲を紹介された。この曲と歌詞は世界の貧困構造の不合理さやそ
れをなくそうという努力をも考えさせる内容だと思えたので、私は学級の子ども達とこの歌
の歌詞について話し合い、『タガタメ』のコンサートDVDを見せた。子ども達は音楽の持
つ情感に訴える力を敏感な感性で受け止め、深い感想を書いた。
○「言葉がない。 何も言えない。
きいている間ずっと心ぞうがドキドキして、今もしている。
歌詞が強く心の中に飛びこんできて、この歌詞をどう受けとめるのか、今はわかんない
けど、今日の夜とかすごくじっくりこの曲をきいて、歌詞を見て、答えを見つけたい。
こんなに強く深く心に入ってきた曲ははじめてですごく考えさせられる。
何でか分からないけど、すごく悲しい。(S子さん)」 - 12 -
○「DVDを見てぼうぜんとしました。
メンバーの人達が一つになって訴えていました。
ストリート・チルドレンも飢餓の子達も私は「大人がした行動の被害者」だと思います。
桜井さんはDVDのインタビューで自分の考えを持っていてすごかった。「大人はこの
問題では期待できないのでは」と思っていたけど、改め考え直しました。
「大人でもちゃんとした人はたくさんいる」と。」(I 子さん)
☆この学習の良かった点は「意欲」と「決意」があがったこと。音楽が情感に働きかける
力は大きなものがあり、子ども達はこれまでの知識と活動・学習から感じていたことを
内側で情感的に統合させ、活動への意欲を更に上げていった。
7 , 子 ど も 達 の 意 識 ・ 価 値 観 の 変 化 
小さなことでもいいから途上国に支援する、多くの人に広げる等、活動を行う上で大切な
ことはたくさんあるが、その中の一つ、「活動を行った子ども達自身がどう変わったか」は
ある意味一番大事な面であると思われる。
(1)価値観の変化 
子ども達が書いた活動の感想文
○「「幸せに感じるとき」のアンケートを書きました。私は4年生の時もしこのアンケートを
書いていたら、今日書いたよりたぶん書くことが少なかったと思います。
それは5年生から勉強してきた「貧しい国」のことがあるからです。4年まで当たり前
だと思っていたというか当たり前だとかさえも考えなかったことが、今では「幸せ」と感
じるように変わって来ています。」(18年度 6年終了時に)
○ 『 私 た ち も 助 け ら れ る 』 
「 あ の ボ ラ ン テ ィ ア し て い る 人 が 言 っ て い た 、「 援 助 し て 助 け て い る の で は な く て 、こ
っ ち も 助 け て も ら っ て い る 。」と い う と こ ろ で 「 あ っ 、私 達 も 助 け て あ げ て い る ん じ
ゃ な く て 、 こ っ ち も 助 け て も ら っ て い る ん だ 」 と 気 づ き ま し た 。 
笑 顔 が す ご い と 思 い ま し た 。 貧 し い か ら こ そ 、私 達 と は ち が う 「 宝 」を 持 っ て い る
ん だ と 思 い ま し た 。 」 ( M 子 ) 
○ 『 私 た ち に は な い も の を 持 っ て い る 』 
「 私 達 先 進 国 に い る 人 は 何 か を 始 め な け れ ば 行 け な い ん だ と 強 く 思 い ま し た 。 
マ ラ ウ イ の 働 く 女 の 子 の 写 真 は 服 も あ ま り 良 く な く て か わ い そ う で し た 。で も そ の 子
は 、 自 分 だ け で な く 他 の 人 を 温 め て れ る よ う な 笑 顔 で し た 。 
私 は こ の 写 真 を 見 て 、私 に は 出 来 な い「 笑 顔 」だ な と 思 い ま し た 。い く 貧 し く て も
私 達 よ り 上 の と て も い い 「 持 ち 物 」 を も っ て い る ん だ な と 思 い ま し た 。 
そ し て こ の「 持 ち 物 」が 3 秒 に 1 つ 消 え て し ま う な ん て 本 当 に も っ た い な い こ と で
す 。 だ か ら こ の 「 持 ち 物 」 が 世 界 中 に 広 が っ て く れ れ ば い い な と 思 い ま し た 。 
私 は 卒 業 し て も 大 人 に な っ て も 、 ず っ と こ の 活 動 を 続 け て い き た い で す 。 」 ( S 子 ) 
(2)集団の信頼度が高まり、団結が高まる 
◎6年最後の授業参観で「ストリート・チルドレンの劇」をやるために練習した本番の日
の日記
〜 一 緒 に や っ て い る 自 分 達 を 「 信 頼 し 合 い 」 「 好 き に 」 な っ て い く 〜 
○ 「 本 当 に 今 日 の 劇 は 、 本 当 に 良 か っ た で す 。 み ん な す ご い な ー と 思 い ま し た 。 
ア ド リ ブ と か も ・ ・ ・ 。 朝 の 練 習 も 1 名 も 遅 れ る こ と な く そ ろ っ た ん で す 。 
何 も 言 っ て な い の に 、 男 子 は 自 分 か ら サ ン グ ラ ス 持 っ て き て く れ た り 、 バ ッ ト を 
持 っ て き て く れ た り 。 「 み ん な や る 気 あ る な ぁ ー 」 「 決 ま っ た こ と は ち ゃ ん と や っ
て く れ る な ぁ ー 」 と す ご く 思 い ま し た 。 
み ん な 、 あ り が と う ! ! ! ! ! ! 」 
( 3 ) 考 え 方 ・ 関 心 ・ 姿 勢 の 変 化 - 13 -
○ 卒 業 文 集 よ り 
「 昔 は ぼ く は 、別 に ク ラ ス の 話 し 合 い も 特 に 参 加 せ ず 、意 見 も 聞 か な い よ う な 感 じ で
し た 。 そ れ は 一 部 の 人 に ま か せ れ ば い い と い う 気 持 ち か ら 出 て た と 思 い ま す 。 
で も 、五 年 の 時 、総 合 の 話 に 耳 を か た む け て み る と 、自 分 な り に 考 え る と「 そ れ は
違 う ん じ ゃ な い か な ぁ 」と い う こ と を 思 い 始 め ま し た 。そ れ で 意 見 な ど を し て み る と
だ ん だ ん 楽 し く な り 、ふ つ う の 授 業 の 意 見 も 楽 し く な っ て き ま し た 。総 合 を や る こ と
で 、意 見 を す る 楽 し さ を 教 え て く れ ま し た 。し か も 、み ん な で 協 力 で き る 活 動 な の で
ク ラ ス の 仲 も よ く な り ま し た 。 
今 ま で こ う い う 世 間 の 問 題 は 知 ら な か っ た し 、知 ろ う と も 思 わ な か っ た の で 、こ の
問 題 を 知 っ て 世 間 の 問 題 に も 興 味 が 出 て き ま し た 。そ れ か ら こ ん な に 人 を 助 け た い と
思 っ た の は 、総 合 学 習 の 貧 困 問 題 が 初 め て で し た 。テ レ ビ で 貧 し い 子 ど も な ど を 見 て
る と 、 こ の 人 達 を 救 い た い と と て も 思 い ま し た 。 
総 合 学 習 は い い こ と づ く し で し た 。こ れ か ら も 貧 困 で な く な る 人 が 一 人 で も 減 れ ば
い い と 思 い ま す 。 」 ( 1 8 年 度 卒 業 時 T 君 ) 
(4)すさんでいた子が穏やかになったり意欲を発揮する 
@ す さ み か ら 立 ち 直 り 意 欲 的 に な っ た H さ ん の 例 
( 本 校 で 2 度 目 、 平 成 1 9 ・ 2 0 年 度 に 5 ・ 6 学 年 担 任 し た 児 童 ) 
H さ ん は 、 私 が 担 任 と し て 持 つ 前 年 度 の 4 年 生 の 時 、 足 の 悪 い K 君 を 仲 間 数 人 で 掃 除
用 具 入 れ の 中 に 閉 じ こ め 、 外 か ら 用 具 入 れ を バ ン バ ン た た く 、 と い う 典 型 的 な い じ め の
よ う な 行 動 も し て い た 。 担 任 し た 5 年 1 学 期 は 言 葉 や 表 情 に も 険 が あ っ た 。 良 く 聞 い て
み る と 、 両 親 と も 仕 事 が 忙 し く 内 面 に 寂 し さ を 抱 え て い た 。 こ の H さ ん は こ の 「 海 外 貧
困 問 題 ・ 支 援 活 動 」 に 徐 々 に 熱 心 に 入 っ て き た 。 活 動 を し 、 表 情 も 言 葉 も 柔 ら か く な っ
て 来 た 5 年 生 の 2 学 期 の 個 別 懇 談 会 で は 、 母 親 が 「 先 生 、 あ の 子 こ の 頃 落 ち 着 い て 来 ま
し た 。 」 と 話 し 、 そ し て チ ャ リ テ ィ ー 喫 茶 店 を 行 う 相 談 の 日 の 5 年 の 1 2 月 の 日 記 は 、
と て も い い 内 容 で あ っ た た め 、 担 任 の 私 が 学 年 通 信 に 載 せ た 。 
今 日 は 学 年 集 会 で 今 度 の 2 月 の 授 業 参 観 日 に き っ さ 店 を や る 提 案 が 出 ま し
た 。 早 く お 金 を 集 め て 苦 し ん で い る 人 が 少 し で も 助 か っ た ら い い と 思 い ま す 。
い っ ぱ い え ん じ ょ し て も 少 し の 人 し か 助 か ら な い と 思 う け ど 、 誰 も 助 か ら な い
よ り い い の で 、 い っ ぱ い し た い で す 。 私 が 前 か ら 思 っ て い た の が 、 世 界 は な ぜ
み ん な が 同 じ ラ イ ン に 立 て な い の か と い う こ と で す 。 同 じ 仲 間 な の だ か ら 、 平
和 な 人 と 貧 し い 人 が い て ほ し く な い と 思 い ま す 。 み ん な が 手 を つ な ぐ か ら こ そ
世 界 は 一 つ に な る 。 み ん な が 平 等 で な け れ ば い け な い 。 
☆ こ の 学 年 通 信 に 載 っ た 日 記 は 学 年 の 多 く の 子 ど も 達 の 支 持 を 受 け 、H さ ん は 自 信 を
深 め て い っ た 。 こ の 後 の 活 動 も 熱 心 に 行 い 、 こ の 5 学 年 度 末 に は 児 童 会 の あ る 委 員
会 の 副 委 員 長 に も 立 候 補 し て 就 任 し 、 友 達 も 助 け 、 熱 心 に 活 動 す る よ う に な っ た 。 
A 自 尊 感 情 を 取 り 戻 し た N 子 さ ん の 例 
( 本 校 で 最 初 に 、 平 成 1 7 ・ 1 8 年 度 に 5 ・ 6 学 年 担 任 し た 児 童 ) 
「 先 生 あ の 子 、 こ の 頃 『 私 な ん か ・ ・ ・ ・ 』 って 言 わ な く な っ て 来 た ん で す 。 」 こ れ
は 5 年 生 時 の 1 2 月 の 個 別 懇 談 会 で の N 子 の 母 親 が 言 っ た 言 葉 。N 子 は 気 立 て が よ い
子 だ が 教 科 学 習 能 力 は 劣 る 面 が あ り 、 自 分 に 自 信 が 持 て な い で い た 。 し か し 、 5 学 年
に な っ て 総 合 的 な 学 習 の 時 間 に 始 め た こ の 「 海 外 支 援 活 動 」 に 人 一 倍 一 生 懸 命 取 り 組
み 、 日 曜 日 で も 1 人 で ア ル ミ 缶 集 め を し た り 、 衣 類 集 め も が ん ば り 、 感 想 文 な ど も 良
い も の を 書 い て 来 た 。 
担 任 の 私 は そ の N 子 の 努 力 を 学 級 の 朝 の 会 や 総 合 の 時 間 に ク ラ ス に 知 ら せ た り 、 学
級 通 信 で N 子 の 感 想 文 を 紹 介 し た り し た 。 自 信 を 持 ち 始 め 、 生 き 生 き と し 始 め た N 子
は 、 チ ャ リ テ ィ ー 喫 茶 店 を 行 う 時 に は 、 喫 茶 店 会 場 に な る 学 級 の い ろ ん な と こ ろ に か
ぶ せ て 隠 す た め の 「 カ ー テ ン 生 地 の 端 切 れ 」 を 親 戚 の カ ー テ ン 屋 さ ん か ら 調 達 し て き- 14 -
て く れ た 。 こ の お か げ で 教 室 は ず い ぶ ん と 喫 茶 店 ら し く な り 、 N 子 は み ん な に 感 謝 さ
れ 更 に 自 尊 感 情 を 高 め て 活 動 に 意 欲 を 高 め て い き 、 学 習 も 意 欲 的 で 前 向 き に な っ た 。 
(5)学級の約束事 〜自分達の生活にどう反映させるか〜 
○学習も支援活動も大切だが、それを行っている自分の生活意識や態度を棚に上げておいて
は何もならない。そこで自分たちの生活をどう考えるのかを話し合った。
◎クラスの「約束ごと」(学級に掲示)
「給食を残さない」 「ものを無駄にしない」 
「恵まれていることに感謝する」「学校に来れることを大切にする」 
ビデオの「児童労働」で学校に行けずに働く子どもを見て自分達の価値観を大きく揺さぶら
れ、真剣に考え、話し合った子ども達は「今自分の生活の中でできること」として、上記の
ことを自分達のクラスの約束にし、心がけていった。子ども達は、自分達が豊かな物に囲ま
れて「五感の快」ばかりを追い求め、その奥にある「大事なもの」に目隠しをかけられてい
る“先進国病”のようなものに取り込まれていることに気づいていった。

( 6 ) 子 ど も 達 の 変 化 か ら 
○上の事例には途上国に(言葉が悪いが)「与えた」はずの自分達が、逆に価値観の変化やや
りがいや意欲や団結といったものを「与えられる」という不思議な構図が見える。しかしよ
く考えてみるとこれは不思議ではない。私達は大人も子どもも、この日本で“生存”という
点では不自由のない環境の中で生きている。しかし溢れる物や情報に翻弄され、いつしかそ
の中で「“生を与えられた人間”としての自分にとって本質的に大事なもの(気持ち・考え
方・価値観・姿勢・習慣など)」を本末転倒的に見失い始めている。私達は身の回りに私達
の「快」のための物質に囲まれながら、同時に環境悪化や飢餓・貧困に苦しむ人達の存在も
知っている。それゆえ暗にでも“閉塞感”も抱えてしまう。こうした中で貧困問題に出会っ
た子ども達は、自分の中で本当に納得が出来る大事な感情を元に活動することに出会えたと
言える。そしてその感情と活動は子ども達に、考え方・価値観を本来的なところに立ち戻さ
せたり、生きる意欲を与えた。他のためにと「与えた」自分達が、豊かな物に目隠しをされ
た閉塞感のある社会の中に生きるが故に、結果「与えられ救われた」ように思われる。
写真資料 
1(4)@フジテレビ『世界がもし1
00人の村だったら』をみんなで観る A『明日こそ子ども達が・・』を音楽会で
【写 真 1 】 【 写 真 2 】 
実 を 乗 り 出 し て 真 剣 に 観 る 子 ど も 達 リ ボ ン を 手 に 映 像 も つ け て 発 表 - 15 -
2,(1)「ストリート・チルドレン宿泊体験」

平 成 1 6 年 度 学 校 二 階 外 の 渡 り 廊 下 で 平 成1 7 年 度 玄 関 外 
【 写 真 3 】 【 写 真 4 】 

【 写 真 5 】 2,(2)「働く子ども体験」【 写 真 6 】
平 成 1 9 年 度 こ の 時 は お に ぎ り 1 個 2時 間 半 休 み な し で バ テ バ テ に 。 

3,(1)待望の衣類援助 
【 写 真 7 】 衣 類 援 助 の 時 、子 ど も 達 は こ の 時 一 番 良 い 表 情 を 見 せ る 【 写 真 8 】 - 16 -
3,(2) @マラウイ共和国に援助物資を届ける
支 援 物 資 を 手 渡 す 【 写 真 9 】 喜 ん で く れ た マ ラ ウ イ 共 和 国 の 生 徒【 写 真 1 0 】

Aその他のマラウイ共和国学習 
フ ォト ラ ン ゲ ー ジ 【 写 真 1 1 】 「 貧 困 の 輪 」 の 学 習 【 写 真 1 2 】 

Bルウェレジ中高等学校への 
「エイズ孤児支援」 

「 マ ラ ウ イ ・ ボ ッ ク ス 」 の 学 習 【 写 真 1 3 】 

ビーズブレスレットを販売【 写 真 1 4 】 → - 17 -
C マ ラ ウ イ 「 V C T セ ン タ ー 」 建 設 と T V 会 議 
完 成 し た「 V C T( エ イ ズ 予 防 )セ ン タ ー 」 マ ラ ウ イ と の T V 会 議( J I C A 駒 ヶ 根で ) 
【 写 真 1 5 】 【 写 真 1 6 】 

(3)東ティモール支援 
 

サ ッ カ ー ボ ー ル と ビ ブ ス を 用 意【 写 真 1 7 】 難 民 キ ャ ン プ の 子 達 に【 写 真 1 8 】 

(4)紛争国イラクへの支援活動学習 
東 テ ィ モ ー ル の 子 ど も 達 【 写 真 1 9 】 
イ ラ ク の 子 ど も 達 に 送 っ た 絵 【 写 真 2 0 】 - 18 -

4,(1)資金としてのアルミカン集め 

元 気 を 出 し て く れ た D さ ん 【 写 真 2 1 】 学 級 み ん な で ア ル ミ 缶 集 め 【 写 真 2 2 】 
事 前 に 主 旨 を 書 い た お 願 い チ ラ シ 配 り【 写 真 2 3 】 全 校 か ら ア ル ミ 缶 協 力【 写 真 2 4 】 

4 ,(2)太陽熱利用チャリティー喫茶店 
参 観 日 に 教 室 で チ ャ リ テ ィ ー 喫 茶 店【 写 真 2 5 】 チ ャ リ テ ィ ー 喫 茶 店 の 記 事【 写 真 2 6 】 - 19 -
太 陽 熱 利 用 湯 沸 か し 反 射 板 セ ッ ト 【 写 真 2 7 】 監 督 係 が 当 日 の 動 き を 説 明 【 写 真 2 8 】 
ア ピ ー ル 係・当 日 主 旨 を 発 表【 写 真 2 9 】 ア ピ ー ル を 熱 心 に 聞 い て 下 さ る 父 母【 写 真 3 0 】 

6、意欲を持続させるための取り組み 
(1)子ども達への支援・応援(勇気・意欲をもらう)

衣 類 送 付 で ヤ マ ト 運 輸 さ ん 。1 6 0 0 0 円 か か
る の を 「 1 5 0 0 円 で い い 」 【 写 真 3 0 】 
地 域 の 方「 そ う い う 活 動 の た め な ら 君 た ち に 
あ げ る 」 【 写 真 3 1 】 - 20 -
ア ル ミ 缶 集 め の 時 、袋 に 書 か れ た 地 域 の 方 々 の こ の 言 葉 が 子 ど も 達 を 勇 気 づ け る【 写 真 3 2 】 
ア ル ミ 缶 集 め の 時 に 一 人 暮 ら し の お ば
あ ち ゃ ん の 家 に あ っ た メ ッ セ ー ジ 
「 5 年 生 の 皆 さ ん 、ご 苦 労 様 で ご ざ い ま 
す 。丁 度 中 学 の 人 と い っ し ょ に な っ て 
し ま い 、ア ル ミ カ ン が 出 来 ま せ ん 。す 
み ま せ ん が こ れ で お ね が い し ま す 。体 
の 具 合 が 悪 く て 手 が ふ る え て 書 け ま 
せ ん 」 
と 、 メ モ と 貯 金 箱 が 置 か れ て あ っ た 。 
子 ど も 達 は「 自 分 た ち が 取 り 組 ん で い る
問 題 へ の 人 々 の 願 い 」 を 強 く 感 じ た 。 
【 写 真 3 3 】 

2、実体験的学習
(1)「ストリート・チルドレン宿泊体験」 【 写 真 3 4 】
ス ト リ ー ト ・ チ ル ド レ ン の 気 持 ち を 実 感 す る こ と に な っ た 屋 外 で の 宿 泊 体 験 
こ の 体 験 の 「 過 酷 さ の 実 感 」 が そ の 後 の 意 欲 の 元 と な っ て こ の 一 連 の 活 動 が 展 開 さ れ た 

海外貧困支援学習活動を�
支えてくれたもの�
駒ヶ根市赤穂東小学校 教諭 原 郁雄 さん�
はら  いく お�
▲授賞式の様子 右から 2 番目が原先生�
 今回、計らずも「中日新聞教育賞」を受賞させていただき
ましたが、これは JICA を初めとして、様々な関係機関に支
えられて学習活動を展開してこれたお陰です。
 私は前任校から 6 年間ほど「海外貧困問題」を学級の総合
的な学習の時間で取り組んできました。貧困問題の現実に触れ、
「何か支援したい」という思いを持った子ども達とアルミ缶集
めをして海外に衣類を送ったり、「ストリート・チルドレンの
気持ちを知るために実際に泊まってみたい」という思いの下、
屋外でダンボールと毛布で体験宿泊をしたりもしました。
 そんな中、支援に対する現地の反応を実際に感じられる海
外体験方法を探していた時、JICA 中部が企画している研修プログラムを知り、アフリカ・マラウイ共和国に
行かせていただきました。「相手の顔が見えない」という課題の打開策として担任の私が「支援物資」を届け、
その反応を持ち帰ることにしました。もちろん「支援物資」は「依存心の元になるから」と断られた訪問先も
ありました。この現実に向き合って本当の学習ができました。子ども達が「単なる物資支援より本当に相手の
ためになる支援は何だろう」と考えることが出来たのは収穫でした。また、マラウイで出会った青年海外協力
隊員の現地に入り込み、難しい状況の中、本当にひたむきに果敢に取り組む姿に、私は素直に頭が下がり、彼
らの存在は本当に世界に誇れる数少ないものの一つだと思いました。