ハートマネー(Local Exchange Trading Scheme=LETS 地域経済振興システム)という地域通貨を使う交換リングです。 

このハートマネーは会員相互の間でサービスや生活必需品の交換に利用できます。

あなたが必要とする支援を他の仲間から相互に受けて下さい。

このリングは善意と信頼を結ぶリングです。市場競争の社会から、共生と助け合いの社会へのパスポートです。余白がなくなったら交換にID発行管理者にお持ち下さい。不要になったら残高をプラスにしてID発行管理者にお持ち下さい。

〒399-8301 長野県南安曇郡穂高町豊里  

舎爐夢(シャロム)ヒュッテ内 ハートマネー 安曇野リング事務局

      TEL&FAX 0263-83-3838

    E-mail: shalom@ultraman.gr.jp 

    http://www.ultraman.gr.jp/~shalom/ 

地域マネーは地域のコミュニケーションを活性化し、お互いが助け合い、生き甲斐を持つ地域づくりを目的にした、地域経済システムです。

世界に2500ほどの地域マネーがあり利用されています。200029tuutyou.jpg (11556 バイト)

【利用ルール】

ハートマネー 安曇野リング(以下HAR)ID発行管理者に 提供できる事、提供してもらいたい事、を登録して下さい。

HAR会員同志で物品、サービスをHeartで売買してください。価格はお互い相談で決めて下さい。目安は単純労働1時間500H〜1000Hです。1000H=1000円です。

このHには利子も利息もつきません。通常の貸借関係とは違い、Hがプラスの人はメンバー内で役に立っている人、Hがマイナスの人は他のメンバーにお世話になっている人であり、また新たな信頼関係を築くという証に過ぎません。

但し、マイナスHは上限10万Hまでとします。10万H以上は発行管理者の承認が必要です。

IDナンバーは

LR←提携ローカルリング、HAR←所属ローカルリング、SH←発行管理者、 0123←個人IDナンバー  IDナンバー内で使用が可能です。

発行管理者は、そのネットワークを責任を持って(情報の公開IDナンバーや収支を)管理します。交換用登録カードはID発行管理者の所か事務局で見ることができますし 入手(有料300円)郵送も可能です。

【地域マネーの長所・利点】

・小さな事業を興しやすい。(趣味を仕事にしやすい)

・自分の新しい可能性を見つける事ができる。

・日頃あまり考えない「人の為に自分は何ができるのか?」を常に考えるようになる。

・友達が増える(メンバー同士がコミュニケーションして取引をするため、お互いの顔が見える関係が生まれ、メンバー間の結びつきが高まります)

・他人に役に立っている事が実感できる。(通常は商品やサービス=お金ですが、RRでは商品やサービス=相手の笑顔や感謝の言葉となります)

・借りをきちんと返す事で信頼関係が厚くなる。

・不当な取引が行いづらいので安価に取引ができる。

・信頼できる仲間から買う事で安全で良質なもので手に入りやすい。

・不況等の理由により意欲があるのに就業できない労働力を有効活用できる。

・市民が地域経済を主体的に創造する事ができる。

2000.6.2 週間松本2面掲載記事

地域通貨導入4ヵ月

ハートマネー安曇野リングの挑戦

「地域通貨」とは、一定の地域で、実際のお金を使わずに、物やサービスを交換する方法。利子がつかず、消費することに意義を持つこの特殊なお金のコミュニティーは、世界のあちこちに存在して地域を活性させています。日本ではまだ認識理解度が低い地域通貨ですが、県内でもいくつか発足しています。その中の一つ、『ハートマネー安曇野リング』を昨年暮れに立ち上げた臼井健二さん(穂高町豊里)に、地域通貨の内容とその効果をうかがいました。

地域マネーはたまったから得、使ったから損ということはありません。「実際に使ってみるとおもしろいですよ」と話す臼井さん。苗をもらってきたり、経営するペンションのコーヒーを地域通貨で提供したり、率先して利用しています。安曇野リングが行う地域通貨の仕組みは単位をハートとし、1ハートは1円に換算できますが、貨幣はなく、現金と直接交喚はできません。ハートが動くのは、人のために何かをしてあげたり、逆に何かしてもらった場合のみ。そして、参加する人は最初に、仕事や特技を生かしてたとえば技語を教える、大工仕事や畑仕事を手伝う、話相手になる、子守をするなど自分にできることと、庭の草むしりを手伝ってほしい、苗を分けてほしい、家の修理を頼みたいなど人にしてほしいことを事務局に記人して登録します。登録者は約50人を数え、リストを見て各自が取引します。500ハート、1000ハートなど、労働に見合つと思われる額を自分で決めます。材料費がかかるものは100ハート十100円というように円と組み合わせることもできます。草むしりを手伝ってもらってマイナス300ハート、車で送り迎えをしたらブラス500ハートで、プラス200ハートという具合。スタートは0ハートで、専用の通帳に収支を記入していきます。「プラスは地域に貢献している人、マイナスは支えられている人ということになりますが細かい数字にとらわれず、どんどん使ってマイナス長者になろうと呼びかけているんです」と臼井さん。普通なら頼みにくいことも気軽に言いやすく、ハートを使ってあえてドライにすることで、負担や負い目を感じさせないという狙いも。人と人との出会い、そこから信頼関係が生まれて、仕事に結びつく−地域の中で生産し、消費する社会が目指すところです。しかし、「地域通貨は、はっきり言って面倒。リストを見て、頼みたい相手に電話して、実際に会って交渉するんだから」。それでも、お金では買えない大切なものをえられると臼井さんは考えます。1人暮らしのお年寄りがハートマネーを使って、屋根の落ち葉をとってくれと頼む。頼まれた側は、1年2年と通い、そのうち、何も言われなくても”どうだい?。と顔を出す。将来的にはハートマネーがなくても気持ちの通じ合う関係に発展していけばと思っています」地域通貨はこうして地域のコミュニケーションを活性化し、お互いが助け合い、生きがいを持つ地域づくりを目的にした地域経済システム。始まったのは1932(昭和7)年、オーストリアをはじめ、同年代アメリカでも数多く発行され、現在世界各国のさまざまな地域で普及し、国内でも各地で導入されています。

交換リングの通帳

安曇野リングの通帳。交換相手、内容、ハートの収支、残高を記入し、相手にサインをもらう。直接顔を合わせるので、そこから交流が始まる。

実際に使っている人は

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「もっと広がってほしい」と話す西村健さん。

「風のパン屋」として、日本全国で天然酵母のパンづくりの講習会を開く西村健さん(松本市深志)パンの材料の小麦や雑穀がほしい、そのかわり家具の修理をしたりパンの講習に行きますと登録した西村さんの通帳は、4万ハートで購入したパソコンが響いて、今もマイナス。「最初はマイナスがどっとのしかかってきたけれど、楽しいですよ。マイナスの人の方が積極的に利用していると言うことですからね。」付加価値も多く、ミーティングで情報交換ができたり、今まで知らなかった分野の人達とつきあえる。」しかし、「まだまだ参加者がすくない。お店などが、割引やスタンプサービス、仕入れをハートマネーでやってくれれば、有効に使えそうですよね。」と今後に期待します。「実際に参加して体感しながら地域マネーを知ってほしい。いろいろな人が参加すれば、今後の可能性も更に広がって行くと思います。」