安曇野パーマカルチャー塾 2007年4月 第2回講座

4月21日(土) 第5期 安曇野パーマカルチャー塾


13:30 オリエンテーション

今回は欠席1名(れいなさん)、日曜からの参加3名(アキラさん、さえさん、カイさん)。
そして新たに2名(よしさん、まみさん)の参加となりました。
また、にーなさん、むらさんが補講として参加しました。

スケジュールの発表、自己紹介の後、にーなさんによるヨガのレクチャー。
太陽礼拝で体をほぐして、講座のスタートです。
(いきなり振られてましたが、快く引き受けてくださったにーなさん、ありがとうございます。)


14:00 宿題『わが家のシステムデザイン』発表

自宅の(水、栄養分、エネルギー)の循環について、各自A4の用紙にまとめて発表。

自宅ではあまり循環していないという発表も多かったのですが、一方で、かなり循環させている人もいました。
特に、太陽光と空気の流れを考えて家を自作(!)、薪風呂(五右衛門風呂)を使っている人(ぶんさん)、くど(かまど)を購入し今後はもっと薪エネルギーを利用したいという人(としあきさん)、など。

その他、こんな循環、節約もありました。


・水
雨水を野菜の水やりに。皿洗いした水を野菜の泥落としに。地下水の利用。風呂の残り湯を洗濯に。


・有機物
コンポスト(ダンボール、ミミズなど)を設置して堆肥作り


・エネルギー
水を入れたヤカンを外に出し、太陽光で暖める。夜間の冷えすぎを防止用に菜園の石やコンクリートに太陽光を蓄熱させる。夏の暑さ対策としてつる性植物でグリーンカーテンを作っている。
ソーラー充電タイプの乾電池を使う。おがくず、灰、木炭を畑へ。おがくずを鳥小屋、犬小屋へ。
廃油を着火剤として。日当たりの良い家に引越。


今回の宿題には他にもうひとつ『コンポストトイレのコンセプトデザイン&プラン』というのもあり、前日の夜遅くまでかかって寝不足という人がちらほら。(自分もその一人です)
レポートの内容もそれぞれ個性的でしたが、それ以上にレポートの作り方に個性が現れていて面白かったです。パソコンを使った人、カラーで作った人、丁寧で見やすいイラストを描いた人など。
 


個人的には「日当たりの良い家に引越」というのは、すごく腑に落ちました。
照明費と暖房費の節約、というのもありますが、日当たりの良い家はそれだけで気分が良くなりそう。
良いですよね、日当たりの良い家。
実際には、日当たりの良さだけで引っ越したりはしないと思うけど、「家を自分で作り変えていく」、という以外にも「快適な家に引っ越す」というのもエコロジカルな生活の選択肢としてアリなんだなぁ、なんてことも考えました。


あと、前回の講座が終わってからコンポストを使い始めた、という人が何人かいました。
自分は、この1ヶ月何もしてなかったことを痛く反省。
やります、やります。コンポストくらいはすぐに始めます!


15:20 休憩


15:30 苗床からポットへの移植

前回の講座で苗床に蒔いた種から芽が出ていました。(トマト、ナス、キャベツでしたっけ?)
それを一本づつ箸で土ごととって、ポットに移し替えました。
箸を使うのは、指でやるよりも根を傷つけないからだそうです。(フォークでも可。)
ポットの土は今回は買ってきた土です。畑の土を使うと様々な芽が出てどれが野菜の芽か分からなくなるからです。
ポットに移し替えたら土を押さえて、ジョウロで水をたっぷり与えます。



信州では5月のゴールデンウィーク明けまで、霜が降りることがあるので、苗を畑に植えるのはそれ以降になります。
もし外に出す場合はビニールをかけます。



種は一度に全部蒔かず、2週間ほど時期をずらして次々と蒔いていくと、収穫時期もずれるので何度も収穫が楽しめます。1週間の差では短いそうです。

今回、キャベツは助長気味(もやし気味)だったようですが、元気に育つことを願ってます。
 

   



16:10〜 宿題『コンポストトイレのコンセプトデザイン&プラン』発表



今年度の建築実習で製作するコンポストトイレの
(1)コンセプトデザイン (トイレの特徴を表現するコンセプト)
(2)システムデザイン (水、エネルギー、有機物がどのように流れ、循環していくのか)
(3)アイテムデザイン (トイレの仕組みを説明する簡単なスケッチ)
をA4用紙にまとめて、発表。



これも様々なアイデアが出ました。スケッチも個性的。
パースばっちりのぶんさん、笑えるイラストよしさん、可愛く見やすいイラスト
おっちさん(さすが本職!)

 



各自発表の後、共通して出てきたアイデア等を皆で抽出しました。

・コンセプト
快適、また行きたくなる

・コンポストの方式
大便小便分離、二槽式(片方の便層に溜まったらもうひとつの便層を使う)、ミミズコンポスト

・雨水利用
濾過する、タンク位置(上、床下)、ポンプ利用

・床
タイル、テラコッタ、ビンの底、ゴミの吐き出し口をつける、ハエ取りトラップ

・屋根
天窓、手割りシングル、草屋根

・ソーラーライト

・大小便座(子供用の便座を用意)

・ソーラーチムニー

・その他
花畑、ハーブ、廃水処理バイオジオフィルター(植物によって有機物を濾過)、鳥居?



ここには挙がらなかったのですが、こんなアイデアも出たので列挙します。
(何人分かのレポートを紛失してしまったので、抜け落ちてるかもしれません。

あと、2日目から参加の方のアイデアも書いておきます)

スロープをつける、竹など自然素材の利用、コンポストを運び出せるよう台車を使う、タイヤを付ける、
便座をボックスタイプに、ベンチ風に、ボトルウォール、床下からも光が透過する、窓だらけ、
前後どちらでも使える便器、子供用に便器も2個、風力利用、円形の建物、クリヤー屋根、
細い竹を通した窓、ストローベイル、漆喰の壁、フィールドストーンとモルタルの土台、
壁にはかわいいイラスト、コンポストに漬物樽利用、コンクリートミキサーのように回転するコンポスト、
子供が遊べるよう机をつける、自転車発電、バイオガストイレ(照明にガス利用)

 


17:00 休憩・温泉へ


18:30 夕食

アマランサスのタラモサラダ風、もち粟のチャウダー セロリの香り、春の香の混ぜごはん、たかきびのハンバーグ BBQソース、りんごのタルト&玄米コーヒー

おいしいのでついつい食べすぎてしまいます。コース料理は今回でおしまいだとか。ちょっと残念。


19:45 観察実習 ナイトハイク

夜の森に入って自然を観察する実習です。
森の中にはたくさんの動物がいます。それらを驚かさないよう、できるだけ静かに森に入ります。

そのための方法としてまずフォックスウォークという歩き方を教わりました。
後ろの足に体重を乗せたまま、踵→小指側→親指側(全体)の順に足を地面に付け、静かに前の足に体重を移していきます。ひざにはソフトボールを挟んでいる感じで。

ネイティブアメリカンには、「野生動物に気づかれないように、そーっと近づいてタッチして逃げる」という遊びがあるそうです。それが熊の場合もあるとか! 

クイズ
「野生動物に気づかれないためには、1歩進むのに何秒かけたら良いでしょうか?」
答えは66秒。1分では微妙に早いそうです。

トラッキングの学校を主宰しているトム・ブラウンJr氏によると、自然の中に入る時のポイントは
(1)slow down (ゆっくり歩く)
(2)get down (低い視点で見る、あるいは上を見る)
(3)silence (静かに)
だそうです。

さて、一人ずつ小さなシートを手渡され、希望者はタビックス(足袋型の靴下)を借りて履き、シャロムの横にある小さな森に静かに入って行きました。
2グループで輪になり、中心にロウソクを灯し、右目を隠して左目で炎をしばらく見つめました。
そして炎を消し、右目と左目で周囲の見え方の違いを比べてみました。
炎を見つめていた左目では全体に暗く、人の顔が識別出来ない程なのに対し、隠していた右目では人の顔もよく見えました。赤外線で見ているようだという意見もありました。
僅かな時間で右目の方は暗闇に順応した、ということです。
自然の中に入ると人間の感覚は研ぎ澄まされていく。
野性に対する人間の適応能力もまだまだ捨てたもんじゃないよ、という実験でした。

その後、バラバラになって森の中に入り、気に入った場所にシートを敷き、好きな姿勢で静かに過ごしました。15分程したらまた集合し、それぞれが感想を言い合いました。

個人的には、枯葉の上が思ったよりも暖かかったこと、風の音や枝の擦れる音がやけに鮮明に聴こえたこと、下から見上げると木が風ですごく揺れているのが分かり「木って強いなぁ」と思ったこと、などが記憶に残ってます。


21:00 パーマカルチャー ツアーの報告 byゆきんこ

パーマカルチャーセンタージャパン主催のオーストラリア&ニュージーランド研修旅行に参加してきたゆきんこさんにその時の様子をスライドで報告してもらいました。
ツアーは今年1月から2月にかけて催され、オーストラリアのクリスタルウォーターズ、マレニーなどいくつかのパーマカルチャーサイトやエコビレッジを訪ねたそうですが、今回はニュージーランドのレインボーバレーファームに限定しての報告となりました。

 


具体的な内容は、
ゆきんこさんのブログを見てくださーい。(手抜きで、すみません...)

http://blog.drecom.jp/sorayuki-1/category_22/

報告の中で特に印象的だったのは、レインボーバレーファームでは目に入るものはオブジェから何からみんなとにかく美しかった、というような発言でした。
いつか行ってみたいです。

ゆきんこさん、報告ありがとうございました。


21:30 終了

レポート by たろう

朝6時 農業実習
おはよう は野良しごと 
空気がおいしい、一日のはじまりです。



まずは、昨日の移植した苗を、ワラの温床 ”あったかベット” にいれまして...

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ビニールをかけてあげて、保温します。"チキントラクター" ニワトリ朝です。鳴いてます


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自然農の実習 
臼井さんの話。臼井節 !(^_^)!

耕せば 耕すほど

短期ではプラスに 長期ではマイナスに 
畑にながーく向き合ってゆくのならどちらがいい?



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自然にかなっているか? 
答えは自然のなかにある
人間がいなくなればやがては森になる
すべて用意されている 調和して生きること

大切なこと 3つ
・持続可能 ・多様性 ・調和

草と共生する 草を活かす
植物は太陽エネルギーを固定することができる唯一のもの

 

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自然農の畑が、「人としての生き方」を示しているようだ。

自然農は、ほったらかしなのではない。
自然にゆだねること。

種蒔きは、ひじょうにデリケート

1. 鎌で、草を切りながら刈ります
2. 草を横にどけ、表土を1センチかくと草の種もここにはなくなります


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3. 土の表面をちょっとたたいて凹凸をなくす(種が競争しない)
4. 種を蒔く。種によって筋まきなど、蒔き方を選ぶ


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5. 土をかけ、手で土を押さえる 地表との接点 種に水分が届く
6. 草をかける 保湿。鳥から守る。枯れて来たところから芽がでる


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やさしく種まき
種まきあとに土を押さえるのは、きつくhugするみたく
草をかけることは、ふわっとおふとんみたく
芽が出て、草をとってあげるのは、夕方か曇りのときに
急に明るいと芽もおどろいちゃうよ。

種蒔きは、ひじょうにデリケート


種袋は下から開けて、薬折りにネ!

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「住」棟梁に学ぶ 〜日本の建築の基礎〜

小杉(しゃぼん玉王国国王)さんから建築の基礎のお話です。
カンタン???な家作り ということで、
まず、知っておくことの3つ

長さの単位を覚える(尺貫法における長さの単位)
日本の昔からの長さ「尺」
丈、間、「尺」、寸、分、厘 

一尺=303mm  6尺=1間
一寸= 30.3mm 一寸法師は3センチ
一分= 3.03mm
一厘= 0.3mm

尺から厘まで、それぞれ1/10ずつ小さくなってゆく

6尺×6尺=1坪(面積の単位、坪)

日本の建築は資材に至るまで、現在も「尺」を使っている。
図面には、メートル法で記載されているが、実際は尺でなされている。
「尺」はメートルになおすと端数がでる。
その端数が日本人には「しっくり」くる。
美しさを感じる「尺」のあんばい。


指矩(さしがね)を使おう
大工・建具職人などが用いる直角に曲がった金属製の L 字形の物差し。
角が厚く作ってあるのが、良い指矩。
墨をつけるときに厚みがあると木材に滲まないため。

表目は、実寸。
角目は、√2 さんかくの対角線
丸目は、円周(直径×3.14)

火打梁にする木材の長さを出すときに角目をはかるとすぐわかる。
なんてかしこい道具なのでしょう。
昔ながらにそれが分かっていたということがすごい。

 

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いろはにほへと を覚える
木材に「いろはにほへと」と「一二三四五」を組み合わせて
各木材に印をつけると、組み合わせがカンタンに分かります。

 

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印した場所を消してしまわなければならない時、
こんな場所に書くとよい! ほぞ ↓

 

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ここで、ブレイク。いい機会なので、「いろは」を覚えよう!

「いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
 うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす」

(色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ
 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見し 酔ひもせず)

〜 花の色は鮮やかだけれども、いずれは散ってしまうように
  私の生きているこの世で、誰が変わらずにいられるだろうか
  無常のこの世を山を越えるごとく、今日も暮らしていき
  はかない夢など見ず、酒に酔ってすごしたりはすまい 〜


[構造部材の名前を覚える]

布基礎、土台
根太、垂木(同じ木材でも、ある場所によって名前が違う)
通柱、管柱
桁、梁 火打梁
 
伝統構法「ぬき」の例
 

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在来構法 耐震のためにもの建築のきほん

柱と柱にトラス、すじかいを。 すじかいだけでは、引きには弱い。
火打梁を。 これですじかいだけだと、引き抜こうとする力に対応。
これで大丈夫。
 

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家つくり、カンタンではないけれど、
いろいろを知ったら、「できる」につながる。
建築実習 いざ コンポストトイレ!

建築プランの発表、検討

コンポストトイレの建築プラン。

昨日の、各自のプランをふまえ、「心地よさ」「機能」など、どうしてもここははずせないという

ポイントで、班をつくり、アイデアを結集してプランをまとめて、グループごとに発表。

各班のプランが出たところで、臼井さん、施主の朋子さんも交えて、プランを検討してゆきます。

母屋からみて縦長のかたち/片屋根/天窓/ソーラーパネル/板葺きの屋根 など

根本の枠組みが決まりましたー!

変更後の図面

 

次回は、図面をもとにして、墨付けの作業に入ります。          レポート:ゆきんこ