6月17日(土) 第4回パーマカルチャー塾

財団法人自然農法国際研究開発センター 農業試験場にて      講師:中川原さん(育種担当)

テーマ:どのようにして育種していくのか?。

中川原さんの説明を聞きながら7反あると言う敷地内を見学させていただき、沢山の説明をいただいたのでそれぞれのポイントで受けた説明をかいつまんで紹介します。

農業試件場での取組み

「自然生え」を基本とし、草生栽培(苗の間に草を生やす)による種の品種育成の現場を見学。

草を生やす事で雑草が生えず、手間とお金が節約でき、病害虫がでないので農薬いらず。苗の育ちは「良い」とは言えないが、これが本来の自然な姿なのでは。

●人間の暮しに置き換えてみると…。

<都市の生活>

快適さを求めた生活だが、快適を継続する為にはお金がかかる、ストレスがたまる。

<田舎の生活>

食べるものを求めて歩く。身体を使ってストレス解消。リフレッシュもできる

この場所では自然農法を広めるのが目的となっている。

畑は手をいれ過ぎると虫が多い。余分な養分は与えない。

根を弱くはる物を選んで植える。

【具体例】

カボチャ:直播き(3〜5粒)間にオーチャードグラスとかの牧草を植える。

麦(ライ小麦):間にカウピー(別名:ササゲ=神様に捧げるように葉を広げる)

飼料作物として使われ、スタジオジブリ美術館の茶店ではストロー代わりに使われている。…一度行ってみるべし!。

●肥料代わりに雑草を…。

・抜いた雑草は苗から少し間をあけて置く。苗のところまで一杯に敷くとミミズが入って来る、ミミズが入って来るとモグラも入って来て苗がやられてしまう。

・草生栽培では20〜30cm伸びた所で10cmくらい残して草を刈る。
深く刈ると雑草の方が伸びてしまう。

・牧草は刈らないで放置するとダメになる。

・土を作るには永年草の方がよい。1年草は枯れてしまい土が枯れ易い。

(1年草しか生えない所は荒れる事が多い。)

・ヨモギ、タンポポ、スギナは永年草だが除草剤ばかり撒いている場所に良く生える。

・日陰を作るものがよい。畑の中はいろんなものが生えてきた方が良い。

 同一種だけだと害虫にやられる。

・機械で刈った所より、手で刈った所の方が虫が沢山棲める。

いろんな虫が暮らせる環境が大切。

・畑には「草」-「苗」-「草」といった具合に列をいれこにして植えると良い。

・ヘアリ−ペチ(2年草:カラスのエンドウの仲間)を「草」として植えて、種がでる前に刈りこみ、この草の下に秋に苗を植えるといった事もやっている。

●さまざまな苗たちとその取組み…。

・自然生えのレタス(赤い玉レタス):玉レタスとサニーレタスの交雑種 自然生えに適している。

・麦:10月10日前後に種をまくと倒れない。

・ムラサキゴゼン:雄株、雌株を交互に植えて雑種共生を図る。
組合せっが大事、特徴の対照的な物を組み合せるのがよい。

【例】:背は伸びないが根がはる×根は張らないが背が高い。

こういった取組みにより以下の効果が得られる。

1.)強くなる
2.)自家採種ができる。
3.)悪いものが出て来ない。
4.)ばらつきがなく安定
      ↑この項はここではムラサキゴゼンの例を挙げて説明されていた。
・クキチチヤ(ヤマクラゲ):中国種(茎を油炒めにして食べる)
カキチチャ:韓国の肉に巻いて食べるもの

一ケ所に8粒蒔き:この中から2株を残す。

↑「巣蒔き」の方がお互いに影響して強い苗が育つ

・トマト:丸ごと実を1個植える。→強い苗が出る。→3年くらいして新種が出来る。

ペット栽培:冬に昼は窓際の日溜まりに、夜は寝床に移動、人間の暮す温度がトマトには最適。

秋にポット、2月中に芽がでる。

・キュウリ:分け芽は取らない。(無肥料だから)これは根との関係があり、こうすると根が栄養を求めて育つ。根が育つと実が美味しい。(植物にとって根が育つ事は運動しているのと同じ。適度な運動により自然な味となる。)

但し、沢山は取れないよ!。

【例】:土手の草に肥料をやると虫に食われる。→肥料はやりすぎない。

こうした事は肥料ばかりで育てたものを見ているとわからない。わずかな肥料も蒔く時期が大切。試験場では5/15くらいに蒔く。格言!?:「虫にやられない物を残して行く。」

<整枝>

・やり方は人によって違う。2枚のうち片方残しておくと葉に養分が溜まって固くなるのを防ぐ。→肥料をやらない場合に有効。

…いずれにしても年によって違ったり、いろんな条件で異なるから言った事を鵜のみにせず、自分流を見つけていきましょう。

<種まき・育種・栽培>

・複数蒔いておくと競走して伸びるものだけが育っていき、弱いものは止まっていく。

大きいから強いかというと早く出て霜にやられて小さいのが育つ事もある。だから必ずしも小さいのが弱いとは限らない。→自然が選んでいく。

↑トマト・キュウリ等の果生類に多く8粒程蒔く事で徒長しなくなる。

(但し、蒔き時期が遅いとダメ)

・他にも種類によってそれぞれの特徴があるのでそれを知る事が大事。

【例】ナス:肥えた土で育ったものは協調性がある。

トマト:厳しい土地で育ったものは先に育ったのが他を抑える。

キュウリ:固い葉→根が張っている。上に伸びたのは根が張ってない。

・技の紹介!:相性の良い合わせ技の妙技や隠れ技

ニンニク、トマトを混植する→生育が良くなる

芝草(ケンタッキー)とトマトの混植

小麦とトマトの輪作耕起:最初は成長がよい。不耕起:3年ほどで土が良くなる。雨が降っても水が溜まらないから根ぐされしない。

トウモロコシ-キャベツ-トウモロコシトウモロコシにキャベツが隠れるのでチョウの目をごまかせて卵を産みつけられない。

トマト:交雑しないもので5年も経つと品種になる

植物は人間が種を選んでいる事を示すと(例えば強い品種だけ残しているとか)それに応える。(不思議やねー。)

ダイコン:スーパーで品種の違う葉のある(葉っぱを途中で切ったものでも良い)ものを春先か、秋に2本買って植えると、花が咲いて互いの特徴を取り入れた種を落とす。

キャベツ:F1でも違う2種類をあわせて種を落とさせると、不和合成を防ぐ種が残る。

…後フェアリーベッチ、クロドラリア(マメ科:敷き草)、アマランス(おかのり)の名前が出て来てましたね。

沢山沢山一生懸命御説明していただき、これまでの取組みや御苦労が伺えました。とにもかくにも実践あるのみ!。

建築編

●チーム分け確認後チームに別れて隅付け

隅付けに当っては図面を理解するのも大切だが、材料の特徴を知り、使い分ける。

隅付け時のルール(約束事)を知る。

【例】:1.)柱の反りは柱に加工する前の木の中心側に向かって反る。

2.)上下は節の中にある色の濃い所(節の中心)がどちらかにずれているがずれている方が上になる。

 

 

詳しくは現場で物をみて再確認しよう!。レポート としやん

6月18日  2日目

*スケジュール*
 6:30 墨付け作業
 8:00 朝食
 9:00 墨付け作業の続き
11:00 農業実習
12:30 昼食
14:00 パーマカルチャーの原則
15:00 ふりかえり、まとめ
16:00 解散

6:30 墨付け作業

目を覚ますと、ぽつぽつという音。まさか・・・。昨日の雨が屋根をつたって落ちているだけだと願いながら、外を見ると、結構降っている。
いつもの朝飯前、農業実習はどうなるのかなと思っていると、農業実習は昼にまわして、急遽昨日の墨付け作業の
続きということで、現場にみんなで向かいました。

昨日、雨にあたらないように一箇所に集めておいた材料を部材(土台・柱・梁、桁)ごとにそれぞれの場所に移動して、墨付け開始。

みなさん、「そこのほぞ穴の幅は何寸?柱の芯からどれだけ返るんだっけ?」などと、確認し合いながら、時にはまちがいながら、丁寧に各部材に墨をつけていきました。
また、わからないところは、棟梁の小杉さんの丁寧なご指導のおかげで、なんとかクリア。
ほんとに、心強いです、棟梁!

今回、残念ながら欠席する方が多い中、昨日からゲスト参加しておられる方々と力を合わせての共同作業は、とてもすばらしい時間が流れていて、楽しかったです。
※各チームの具体的な墨付けの進行の仕方はというと、私、メモ係だったことも忘れ、(半分ほっといて)柱チームとして動いていたため、あまり、記憶にございません。
ということで
小杉さんのお話などを参考にこうじゃないかなと私個人が聞き覚えた、各部材の墨付けの簡単な手順、気をつけるポイントなどを以下に書いて置きます。すみません。


土台
@ 土台伏せ図を確認しながら、各部材をどの位置にもっていくかを決めていきます。
※この時重要なのが、適材適所です。土台だけじゃなくすべての材料に共通して言えること
ですが、木の特性を見ながら位置や方向を決めていくことが重要です。
木は立ち木の状態から切り落とされて、たとえ製材されても、呼吸をしていて、生き
ています。
だから、その時まっすぐに近い状態であっても時間が経てば、乾燥が進んだりして、ねじれたり、まがったりするものです。のちのちに起こるであろうそういった木の動きを、木を見ながら予測し、位置や方向を決めていきます。

木は木表(木の外側)の方が時間とともに乾燥によって縮んできて、曲がってくるので、その性質を利用して、土台の場合は、基礎に土台をぴったりつけるために、木裏(木表の逆、木の芯側)を基礎に接する側に向けて材料がくるようにします。

A 土台の各柱がくる場所に柱の芯の墨をつけていき、それぞれに番付をふっていきます。
※番付を書くときは、図面の正面方向から見て正しく見えるように書いていきます。そうすることで、材料を組み上げる時にどこにどの部材がどの向きに来るかが一目でわかるようになります。

B 材料の長手方向の中心に基準の墨をつけます。

C A・Bでつけた墨を基準に、ほぞ穴や蟻欠き継ぎなどの仕口や継ぎ手の墨をつけていきます。
※土台の場合は、建物の四隅を出して組み、その後出た分をのこぎりで切るため、中のほぞ穴や蟻欠きと違って四隅だけはほぞ穴や蟻欠きの墨を、切らない方向にずらして付けた方がいいです。
また、呼応する柱のほぞの長さ、厚みなどと合っているか、相互に確認しながら墨を付けることが重要です。



@ 柱を立てるときにどっち側を上にもっていくかを決めます。木がもともと立っていたときの状態に材料をもっていくことで、柱が長持ちします。木の上下を見るためには、木の表面に出ている節の芯が節の全体のどっち側にあるかを見るとわかります。節の芯がよっている側が木の上です。枝は天にむかって葉を茂らせているからです。

A 建具がくる位置を、図面を見ながら確認し、建具のある方向に木裏がくるようにしたり、ほぞ穴がくる面を木裏にしたりと、適材適所を心がけながら、各部材の位置、方向を決めていきます。

B それぞれに番付をふり、まずは1本の柱に高さ、ほぞの長さの墨を付け、その1本を定規にして、残りの柱に墨をコピーしていきます。
また今回は、全12本の柱のうち、4本に中2階を支える梁、桁がささってくるので、うち1本にほぞ穴がくる高さを土台側から長さを測って墨をつけ、その1本を定規に残りの柱に墨をコピーしていきます。

C ほぞの幅、高さを柱の幅の芯からさしがねを使って墨をつけていきます。
ちなみに柱につけるほぞの幅は大概1寸なのですが、さしがねの幅は5分なので芯墨にさしがねを合わせて両方に5分、5分とれば、いちいち測らなくても簡単に1寸幅の墨をつける
ことができます。
よくできていますね〜。


梁・桁
@ 小屋伏図を確認ながら各部材をどの位置にもっていくかを決めます。
※梁・桁の材料は、土台と逆に、アーチ状にかかるように、木裏を天井側に向くようにして方向を決めます。

A 各柱がくる場所に柱の芯の墨をつけていき、それぞれに番付をふっていきます。


B 材料の長手方向の中心に基準の墨をつけます。

C A・Bでつけた墨を基準にそれぞれの継ぎ手や仕口の墨を、さしがねを使ってつけていきます。
※今回、梁・桁チームは、軒桁を途中で継ぐときの腰掛け目違い鎌継ぎの墨付けや、中2階の梁・桁の墨付けがあったりして、3チームの中で一番大変な作業でしたが、最後はみんなで協力しながら、無事墨付けを終えました。


8:00 朝食

体を動かした後に大地の恵みをいただく、いやー、すばらしいですね。いつもおいしい料理を用意してくださるシャロムのスタッフの方に感謝、感謝です。


9:00 墨付け作業の続き

残っている墨付け作業をみんなで手分けして確認しながら、行っていきました。

ここで、墨付け作業の合間に、小杉さんより教えていただいた素人でもできる「鋸の目立て」の方法を紹介します。
鋸の目立てとはノミやカンナを研ぐように鋸の刃先を専用の金ヤスリで研いでいくことを一般にはいいます。
もっと詳しく言えば、鋸全体のゆがみを専用のハンマーをつかって直したり、アサリ(鋸の刃先の出具合)
を調整したりすることも含めて「鋸の目立て」というのですが。

昔は、そういう目立て専門の職人さんがいっぱいおられたようですが、今では替え刃の鋸が主流になって
しまい、そういった職人さんの数も少なくなってきているようで、私としてはさびしい限りです。

話を元に戻して、鋸の目立ての仕方です。やってみれば、案外簡単です。ぜひ挑戦してみて下さい。

@なにか安定した台に大きめの釘を一本打つ。
A釘に鋸を立てかけ、釘をガイドにして目立てヤスリで鋸の刃先を1つおきに押してすっていくだけです。
これを両面やれば、切れる鋸に早変わり!


11:00 農業実習

見事、雨もやみ、いざ農具をもって1ヶ月ぶりにみんなで畑に向かいます。
稲子さんから今日の作業内容の説明を受けます。
まず、畑の手入れとトマトの苗を支柱に誘引する作業です。

今回は、前回と違い1ヶ月ぶりの畑には思ったほど草は生えておらず、逆に少なすぎる様子。
草のマルチが少ない場所には、周りから少し草を刈ってきて敷いたり、ギシギシなど
のやっかいな雑草は、根から刈りとって敷いておきます。

トマトは、枝の中心のわきからでている脇芽をとり、紐をつかって支柱に誘引していきます。
脇芽が大きい場合は、葉っぱを1枚残した方がいいとのこと。また、ミニトマトはわきめをとらず
誘引だけでいいとのことです。ちなみに脇芽とは、茎や枝の側部から生まれる芽のことです。

誘引の仕方は、枝をしめつけないように、紐を八の字にしてゆったりと枝に通し、支柱にもひっぱりすぎずに軽く結んでいきます。また、トマトをはじめ果菜類は、早く実がなったものは、早い時点で採ったほうがいいそうです。
これは、植物が子孫を残したと思い、これ以上実をつけなくなったりしてしまうことを防ぐためです。

それと当日の朝は雨が降っていたのですが、トマトは、元々アンデスの乾燥した土地に自生していた植物なので、湿気を嫌うため、雨の降った日などは、なるべく触らないようにした方がいいそうです。
ほかにも、春菊は、花が咲くとおわりになるので、咲き始めるとすぐとってやる方が長くもつそうです。

次に、自分たちの畑で足りていないものや芽の出が悪いものをもう一度まき直しました。

インゲン:手のひらぐらいの広さの草を刈り、草の種がある表土をとって、鋸鎌など
で軽く耕し、土を鎮圧してから、3粒(1つは鳥のため、1つは虫のため、1つは自分たちのため)を
点播きして1cmぐらい、草の種が混じっていない土をかぶせて、草を上に敷きます。

モロヘイヤ・べんり菜:30cm幅ぐらいに1列、草を刈り、表土をはいで鋸鎌などで軽く耕し、土を鎮圧してから、上からばら蒔きします。土をうすくかけて、草を上に敷きます。

大根:土に線を引くように鋸鎌をいれ、溝をつくります。2、3cmおきに1、2粒ずつすじ播きします。
まわりに背の高い草があるようならを刈りますが、必要以上に刈らない方がいいとの
こと。また、モロヘイヤなどと同じようにして、ばら播きしてもいいそうです。

大豆:稲子さんが持ってきておられた砂糖いらずという種を蒔きました。砂糖がいらないくらい甘いそうです。
大豆は田んぼの畦に蒔けるぐらい強いそうで、今回は、畑の端にみんなで一直線に並んで蒔いていきました。
蒔き方は、手のひらサイズぐらいの草を刈り、表土をとって3粒ずつ、1cmぐらい土の中に種をおしこみ、土をかぶせ、鳥に食べられないように上に草を敷きます。成長すると大きくなるので、株間は50cm間隔で蒔いていきます。

前回蒔いたキビ・ヒエ・アワの間引きも行ないました。
最終的には10cm間隔ぐらいになるまで間引きますが、今回はまず3cm間隔ぐらいに間引いていきました。
間引いたものはまた別の場所に移植できます。

また、前回移植したかぼちゃのまわりの草をとり、直播したかぼちゃで3つ芽が出ているところは2つにしました。

最後に前回蒔いた棉花で芽の出が悪いところに種を蒔きなおして、本日の畑作業を終了しました。

今回、ご都合で欠席したみなさ〜ん、畑では、ぞくぞくとみんなで蒔いた種が芽を出し、お日様をめいいっぱい浴びながら成長してますよ〜。次回はぜひぜひその目で、自然の生命力を感じてください!

12:30 昼食

朝とはうってかわって、晴天のなか、外でおいしい食事をいただきました。カレーと
ピザ、何度食べてもおいしいです。

14:00 パーマカルチャーの原則(講義)

お腹もいっぱいになって、いざ昼からは梅崎さんによるパーマカルチャーの原則についてのお話です。
最初に前回の講義でやった、パーマカルチャーの倫理の復習から行ないました。
パーマカルチャーの倫理には、「地球に対する配慮」を中心に、「人々に対する配慮」、「余剰分の分配」という3つの側面がありました。

地球という星の上で、自然をできるだけ傷つけずに、人々がお互いに協力し合いながら生きていくための大切な考え方です。わたしも身の回りの事から少しずつ心がけていこうと思う今日この頃です。

次にパーマカルチャーの原則についてのお話です。

パーマカルチャーの倫理というのは、あらゆる側面に深く関わる基本的な考え方であるのに対して、原則というのは、どんな気候条件や文化条件にも適用しうるパーマカルチャーデザインに共通した基本原則です。
パーマカルチャーの創始者であるビル・モリソン氏は、パーマカルチャーの原則を11に分類しています
が、PCCJの設楽さんが再整理して4つにまとめたものについて、今回は勉強しました。

以下に4つの原則について簡単に説明します。

○多様性:
たくさんの安全装置を作るデザイン。例えば、単一栽培よりも多品種栽培の方が、なにか環境の変化が起きた時にでもなにかしらの自然の恵みを得れる。

○多重性:
一つの場所や要素を何通りにも利用すること。カタクリやスミレ等のように同じ場所に生育するが時間的に住み分けているような時間的多重性、各層に分かれて植物が生育している森林の中の構造にみる空間的多重性、燃料・食糧生産の材料・堆肥・さまざまな生き物の生息地となる雑木林のように一つの要素が3つ以上の役割を果たす機能的多重性がある。

○合理性:
労力や資源を効率よく活用すること。毎日、世話をしなければいけない鶏小屋は家の近くに配置して、果樹などの年に数回しか行く必要がないところは遠くに配置するなどというように利用目的にあわせてゾーニングしたりすること。

○循環性:
あるもののアウトプットが、ほかの要素のインプットになるようにする。
人間の食べ残し(アウトプット)が鶏のえさ(インプット)になり、鶏のフン(アウトプット)が畑の肥料(インプット)になるというように循環していくことが大事。エネルギー、栄養分、水についてなるべく循環を考えること。

また、これら4つの原則をいかに関連付けられるかがパーマカルチャーの最も重要なポイントということです。
そして、このパーマカルチャーの原則を実践するためには、なにか問題が起きた時に、それを問題ととらえずに、新しいチャンスとして受け止め、対応していく心構えが大切ということなんですね。

また、自分が持つ情報と創造力をより豊かにしていくことで、パーマカルチャーデザインの可能性が広がっていくということでした。

講義の合間に、前々回に小杉さんから出されていた宿題の発表がありました。

宿題を忘れてしまった方もおられるかもしれませんので、宿題の内容から。
「2階建ての建物で2階を支えている梁の中央が垂れてきてしまったので、それを直そうとして1階の中央に柱をいれようとしました。この行為は、建物にとっていいことなのでしょうか」といったようなものでした。
ずばり、答えは、「建物を逆に弱くしてしまう行為」ということでした。

それはなぜかというと、元々2階に立っている柱を支えるために梁にあけたほぞ穴が、梁の垂れを直すために1階に柱を入れることによって下から上に突き上げる力が加わり、それにより両方向にほぞ穴を裂くように引っ張りの力が働いて、梁がポキッと折れてしまう可能性が出るからというものでした。
ただ、柱をいれれば建物
が丈夫になるっていう単純なものじゃないんですね〜。いやはや、奥が深い。
では、こういった時にどうすれば、梁を丈夫にできるのかというと、梁の下にもう一本、梁をいれてポルトで抱きあわせれば大丈夫とのことです。    レポート中村

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