いのちの祭りのヘンプシンポジウムの簡単な報告です。
以下、*以降が私のコメントです。

〔いのちの祭り・ヘンプシンポジウム企画書〕(作成:安部芳裕)

タイトル『ヘンプでつくろう地域循環社会』

開催日:8月6日(日)午後2時〜5時

〔シンポジウムの趣旨〕
 20世紀の化石燃料文明は気候の温暖化や大気汚染、酸性雨など地球に深刻なダメージを与えてしまいました。このまま化石燃料文明を続けていれば、すべての動植物が絶滅してしまうことが明らかとなっています。21世紀には人類は環境に負荷をかけない新たな文明を築かなければなりません。その実効力のあるツールとして世界的に“ヘンプ”に注目が集まっています。ヘンプは成長が早く連作が可能で、どんな環境
でもすくすく育つ植物です。栽培に手間もかからず、空気や地下水を浄化しながら、土も肥やします。また、ヘンプは大変利用価値が高く、紙、衣類、建材、燃料、薬品、食品、プラスチック、化粧品等々、生活に必要な製品のほとんどをつくることができます。このヘンプを利用することによって農・工業一体となった地域循環型社会を築けば環境問題だけでなく経済問題も解決することができるでしょう。日本では縄文の昔よりヘンプは人間と共にあり、天照大御神の化身=神として崇め奉られてもきました。この危機を克服するにはヘンプの利用する以外にないと言っても過言ではないでしょう。この重要なヘンプの効用を広く知って頂くと共に、現実的な課題を共に解決していくためにヘンプシンポジウムを開催したいと思います。

【前半】産業用ヘンプ普及のために尽力されている方々のミニ講演

1.「伝統文化の復活と新たなる産業の創出(仮)」岡沼隆志氏(日本麻協会)
  *今年、産業用大麻の栽培免許を取得。まだ20代後半?
   奈良晒保存会に材料となる麻を供給することをめざす。
   現在は群馬から材料を調達しているが、群馬の栽培者が高齢のため、   奈良の農地で麻を栽培し、材料として供給したい。
   栽培免許取得者は、50年前は2万5000人。昨年は102人。

2.「産業用ヘンプを利用したまちづくり政策」赤星栄志氏
   (政策シンクタンク「構想日本」環境政策グループ)
   *全国47都道府県の薬務課(麻薬課)を対象として、   産業用大麻について電話調査を実施。薬務課の担当者でさえ、
   幻覚成分THCを含まない産業用大麻(CDBA種)の存在を知らない場合が多い。
   行政に対しても、地道な広報啓蒙活動を展開していきたい   いずれは政策提案をめざす。


3.「いやしろちにヘンプを活用」近藤洋一氏(トータルヘルスデザイン)
  *京都繊維大学卒の、70才近い近藤氏。確か塩作り教室で一緒になった。
     大学で学んでいたころには、化学繊維全盛だったので     繊維としての麻のことはまったく学ぶ機会がなかった。
     麻の可能性について、中小企業の経営者たちと一緒に研究していきたい。
     「いやしろち」(いわゆる「波動」の良い場所)を作るのに麻が役立つ のではないか。具体的な説明はなし。


4.「ハワイでの取り組みと現状(仮)」根本泰行氏(ハワイ大学)
  *30代前半(?)の植物学者。ハワイ州産業用麻実験プロジェクトに参加。
     このプロジェクトは、シンシア・ティーレン下院議員の提案により     ハワイ州議会のプロジェクトとして発足。産業素材としての用途のほか、
    ホスピスハワイなどの施設の協力で、医療への応用なども研究中。
    「神との対話」ニール・ドナルド・ウォルシュ著サンマーク出版刊の第2巻に   麻についてのメッセージがあるという。私はまだ読んでませんが。
    ちなみに、交配するとTHC含有量が減るので、産業用大麻の畑に    普通の大麻を隠して育てるのは無理だそうです。


5.「『ヘンプビール引き渡し請求事件』裁判の報告と黎明のヘンプドレッシン
グ」
真鍋憲太郎氏(インダストリアル ヘンプ クラブ ジャパン)
  *ヘンプドレッシングは、中国産の生絞りヘンプシードオイルを使用。
     好みとしてはやや甘いなぁ。でも醤油ベースの和風味はそう悪くない。
     EUでは、1998年の産業用大麻(CDBA種)の作付面積が1万6000ヘクタール。
     EUの基準では、産業用大麻に含まれるTHCの含有量の基準が0.4%。
     0.4%では、摂取しても何の反応も起きない。 この基準をクリアした素材を 使ったドイツ製ビールが、税関で没収。引き渡しを求めて訴訟中。
     ドイツでは、ヘンプシードオイルの卸値が1リットル当たり500円から600円。
     ヘンプシード(麻の実)の収量の目安は、1反当たり125kgぐらい。
    油を絞ると、だいたい43.75リットルぐらいになる。
    インダストリアル ヘンプ クラブ ジャパンは、関西消費者クラブが母体。
    ドレッシングに関心のあるかたは、連絡先お知らせできます。

6.「世界の状況と日本の今後について」谷口秀之氏(HeadCase)
  *中国や東欧などでは、産業用途(繊維をとるため)での大麻の栽培が
    今も続いている。 中国から麻の茎を3000トン輸入し、製品開発を試みる。
    P&Gなどが製造している紙オムツの成形くず(切り落とし)は、 高分子化合物だが現在は捨てられている。これに麻の茎を粉にして混ぜる
と、    硬いプラスチックになり、プランターなどさまざまな用途に使える。  プラスチック加工業界の大手、共栄(協栄?)プラスチック(株)と共同開発中。
    ヘンプの特性として、帯電しない。そのため、静電気を嫌うCDケースなど の用途が考えられる。企業側は、なんとかして環境にやさしい製品や技術を 持ちたいと考えているが、アイデアがない状態。しかたなく既存の製品・技術に   頼っている。世間から非難されたくないと考えるのは誰でも同じ。
   だからこちらが提案すればものすごく真剣に取り組む。対立から共働へ。
   産業用大麻の広報活動用に、コンパクトな説明カードを作成。
   興味のあるかたには、連絡先お知らせできます。


7.「縄文麻文化を次代のテクノロジーに活かす」中山康直氏
  (縄文エネルギー研究所)
  *栽培免許を取得して産業用大麻の製品開発を行う。
     大麻取締法は、天皇家の神事に使う大麻を残すために昭和天皇が マッカーサーと交渉した結果実現したもの。こうして、免許を取得すれば    誰でも栽培できる道が残された。天皇家用の大麻は、1300年前から 四国のある家が栽培している。その家で作る麻布は、すばらしい品質。
     最近では、岩手で一町歩の広さで麻の栽培を計画。山口県の麻里布町でも、麻を中心としたまちおこしを企画。
    縄文エネルギー研究所(伊豆大島)の製品として、ヘンプのフラワーエッセンスと、 そのフラワーエッセンスを海水塩にブレンドしたものを市販中。
    ヘンプのフラワーエッセンス、毎日服用しているとだんだん時間感覚が  ゆっくりしてくるような???私にとってはリラックス効果ありのよう。
    興味のあるかたには、連絡先おしらせできます。

*ここで、レストラン「麻」のオーナー、前田さんが飛び入り。
「医療大麻を考える会」のパンフを配布。大麻(のTHC)は、多発性硬化症など治療方法のない難病の症状を軽減し、末期ガンなどの激しい痛みを副作用なしで抑え、「うつ」の治療にも有効。

アメリカで医療用大麻を使った治療を受けた小笠原さんを紹介。
小笠原さんの話。 6年前29才で多発性硬化症に。1年半寝たきり。
日本での治療は、ステロイド剤で症状を抑えようとするだけだが、あまり効かない上に副作用がある。4年前に渡米、非合法ではあったが
大麻を使った治療を受け、症状が劇的に軽減。つえを使えば歩けるようになった。
今は、普通の生活を送ることができる。現在、日本では多発性硬化症の患者は7500人。なかには16才で発病して10年間寝たきりの人もいる。
統計から漏れている患者や予備軍(前兆症状のある人)を含めると、1万6000人はいるはず。日本でも、大麻はかつては喘息薬として市販されていた。
(ただし、医療用大麻はTHCがポイント。THCを含まない産業用大麻とは別物 だと思ったほうがよさそうだ)

このほか前田さんから、8月26日の「国際雑穀食フォーラム」で麻の実を使った料理が試食できるという情報あり。
(フォーラム事務局に電話確認済み)。

【後半】講演者全員+ゲストによるディスカッションと質疑応答。
〔司会〕安部芳裕(N.W.O)

*ヘンプ素材を使った商品を、流行で終わらせないためにはどうしたらよいか?
   など。

会場内にヘンプ製品の展示と販売コーナーもありました。
アメリカ製の、ヘンプペーパーのメモ帳を買ってきました。

ちなみに、企画・司会の安部さんは、地域通貨「レインボーリング」の世話人です。

瀧野斗音子
千葉県安房郡三芳村
takino@awa.or.jp


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