地域通貨とは    臼井健二

資本主義は富の蓄積により豊かさをもたらしましたが 富の集中をもたらし差別化によって自給経済を根底から変え依存型の経済を作り出しました。豊かな人はごく一部で貧しい人が大半を占めるようになりました。このことは経済を縮小し地域を活性化のない経済に変えてしまいます。貧富の差がより拡大するのは資本主義の問題点です。貧富の差は働かないから貧しいのでなく経済機構が作り出す必然なのです。そして多国籍企業がその地域から富を持っていってしまい 資金をためた人は他の地域に投資するという悪循環が続きます。その地域はますます貧しくなります。

この資本主義の問題点を70%解決するのが地域通貨です。

日本には結いという制度がありました。農家では田植えなどの時労力を提供します。そしてまた労力でお返しをします。現代のようにお金だけでの決剤システムではありませんでした。貧しいけれども豊かさや助け合いの精神が地域を支えていました。

安曇野ハートマネーを紹介します。

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地域通貨 ハートマネーの挑戦。  シャロムコミュニティー 臼井健二

信州安曇野は長野県のほぼ中央に位置しており穂高町は人口3万人程度の田舎の町です。ご多分にもれず商店街は元気がなく活性化の糸口も見いだせません。私はこの田舎の町で小さな宿をやっています。発足して6ヶ月の頃の新聞記事をまず紹介します。

ハートマネー安曇野リングの挑戦 2000.6.2 週間松本2面掲載記事
「地域通貨」とは、一定の地域で、実際のお金を使わずに、物やサービスを交換する方法。利子がつかず、消費することに意義を持つこの特殊なお金のコミュニティーは、世界のあちこちに存在して地域を活性させています。日本ではまだ認識理解度が低い地域通貨ですが、県内でもいくつか発足しています。その中の一つ、『ハートマネー安曇野リング』を昨年暮れに立ち上げた臼井健二さん(穂高町豊里)に、地域通貨の内容とその効果をうかがいました。
地域マネーはたまったから得、使ったから損ということはありません。「実際に使ってみるとおもしろいですよ」と話す臼井さん。苗をもらってきたり、経営するペンションのコーヒーを地域通貨で提供したり、率先して利用しています。安曇野リングが行う地域通貨の仕組みは単位をハートとし、1ハートは1円に換算できますが、貨幣はなく、現金と直接交喚はできません。ハートが動くのは、人のために何かをしてあげたり、逆に何かしてもらった場合のみ。そして、参加する人は最初に、仕事や特技を生かしてたとえば英語を教える、大工仕事や畑仕事を手伝う、話相手になる、子守をするなど自分にできることと、庭の草むしりを手伝ってほしい、苗を分けてほしい、家の修理を頼みたいなど人にしてほしいことを事務局に記人して登録します。登録者は約50人を数え、リストを見て各自が取引します。500ハート、1000ハートなど、労働に見合うと思われる額を自分で決めます。材料費がかかるものは100ハート十100円というように円と組み合わせることもできます。草むしりを手伝ってもらってマイナス300ハート、車で送り迎えをしたらブラス500ハートで、プラス200ハートという具合。スタートは0ハートで、専用の通帳に収支を記入していきます。「プラスは地域に貢献している人、マイナスは支えられている人ということになりますが細かい数字にとらわれず、どんどん使ってマイナス長者になろうと呼びかけているんです」と臼井さん。普通なら頼みにくいことも気軽に言いやすく、地域通貨を使ってあえてドライにすることで、負担や負い目を感じさせないという狙いも。人と人との出会い、そこから信頼関係が生まれて、仕事に結びつく−地域の中で生産し、消費する社会が目指すところです。しかし、「地域通貨は、はっきり言って面倒。リストを見て、頼みたい相手に電話して、実際に会って交渉するんだから」。それでも、お金では買えない大切なものをえられると臼井さんは考えます。1人暮らしのお年寄りがハートマネーを使って、屋根の落ち葉をとってくれと頼む。頼まれた側は、1年2年と通い、人間関係ができる。将来的にはハートマネーがなくても気持ちの通じ合う関係に発展していけばと思っています」地域通貨はこうして地域のコミュニケーションを活性化し、お互いが助け合い、生きがいを持つ地域づくりを目的にした地域経済システム。始まったのは1932(昭和7)年、オーストリアをはじめ、同年代アメリカでも数多く発行され、現在世界各国のさまざまな地域で普及し、国内でも各地で導入されています。

交換リングの通帳

安曇野リングの通帳。交換相手、内容、ハートの収支、残高を記入し、相手にサインをもらう。直接顔を合わせるので、そこから交流が始まる。

実際に使っている人は「もっと広がってほしい」と話す西村健さん。

「風のパン屋」として、日本全国で天然酵母のパンづくりの講習会を開く西村健さん(松本市深志)パンの材料の小麦や雑穀がほしい、そのかわり家具の修理をしたりパンの講習に行きますと登録した西村さんの通帳は、4万ハートで購入したパソコンが響いて、今もマイナス。「最初はマイナスがどっとのしかかってきたけれど、楽しいですよ。マイナスの人の方が積極的に利用していると言うことですからね。」付加価値も多く、ミーティングで情報交換ができたり、今まで知らなかった分野の人達とつきあえる。」しかし、「まだまだ参加者がすくない。お店などが、割引やスタンプサービス、仕入れをハートマネーでやってくれれば、有効に使えそうですよね。」と今後に期待します。「実際に参加して体感しながら地域マネーを知ってほしい。いろいろな人が参加すれば、今後の可能性も更に広がって行くと思います。」

こんな形で始まったハートマネーですが理念先行で実際には使うのに躊躇する方が多いのも事実です。待っていたのではなかなか交換が成り立ちませんし商店などで交換するサインもなかなか面倒です。又実際に使える商店なども少ないのが現実です。仲間内のお店やさんごっごから実際に利用できるツールにするにはどうしたらいいか この問題にぶつかります。

新たな展開 共同体づくり

自然と人が共生する新たなコミュニティーへ

北アルブスの山麓、安曇野の自然に抱かれ、田舎暮しと自然の食が味わえる宿として約20年にわたり多くの人を魅了してきた「舎爐夢(シャロム)ヒュッテ」が、今春、生まれ変わりました。
20世紀は、経済効率を最優先にして、あらゆるものを犠牲にして生きてきた分断と競争の世紀でした。21世紀は融合 調和 共生がキーワードです。自已利益の追求ではなく、地球全体を考え、自然とともにお互いを生かし合うことが大切です。
これまで実践してきた、自然と共生する農的な暮らしをさらに発展させるべく、自然農の圃場 オーガニックレストランやカフェ、フェアトレード雑貨や書籍、八百屋 自然食品などを扱うショッブなどを併せた「シャロムコミュニティー」をパートナーシップによる共同体として立ち上げました。
21世記型のこの共同体による共生システムは沢山の恵と幸せをみんなにもたらしてくれることでしょう。 レストランでは、本格的な天然酵母の薪の石窯焼きのピザやパンなどが、シンプル玄米ランチとともに味わえます。このハーモニーキッチンは一般家庭の主婦でもオーガニックな物であれば惣菜の提供が可能です。
ショップでは、フェアトレード(発展途上国などの生産者と消費者が対等な関係で貿易を行い、生産者の生活向上を図ろうという活動)による自然素材の衣類や生活雑貨、シュタイナー思想に基づいた木のおもちゃや文具、自家菜園や産直の有機野菜などの八百屋、またミニ書店では環境や子育て、食、農、精神世界の本などがそろっています。ほか、農園の貸し出しやライブ、ギャラリー、ワークショッブ、安曇野インフォメーション 日本円を使わない「地域通貨」の実践など、さまざまな活動にも取り組んでいます。

まずこの共同体を立ち上げ このコミュニティーで全額使える紙幣形の通貨を作りました。この通貨は財担保証券で支払には全額使えるようにしました。 受け入れてくれるところでは使用可能です。コミュニティー通貨として機能しています。そしてコミュニティーでの仕事にはコミュニティー通貨PEACEが支払われます。毎日必要な仕事が張り出されます。食器拭きを手伝って1時間あたり800PEACEがもらえます。レストランで使うこともショップで買い物も可能です。発券者は経費だけですみ 日本円を支払うよりも何割かはお得です。受け入れる側も支払う側もサービスや財担保保証されているので安心して使えます。そしてコミュニティー内での循環が経済効果を生出します。

 このシステムは商店街でも受け入れやすいシステムで お買い物をしてくれた人に3%〜5%分地域通貨を渡し また商店街で買い物をしてもらい活性化につながります。資金は内部にとどまり商店街での循環がより以上の経済効果を生み出します。
NPOなどでも集まった資金(預託金)を活動費として使えます。
受け入れてくれる商店や会員の確保 広報PRなどがこれからの課題です。  

●設立経緯

競争と分断を強いる資本主義により貧富の差が生まれ自給自足の経済が破壊されていきました。物は豊になったけれどコミュニティーは崩壊しお金が全ての世の中になりました。そんなときにNHKの「エンデの遺言」は根本からお金を問う番組でした。この番組に触発され地域通貨に取り組み始めました。
最初は理念先行で生活感レベルでの使用までには至りませんでした。
2001年新たなコミュニティーを作りここで100%使える財を担保とする地域通貨を始めました。
2002年 預託金制度を取り入れピースユニオン(銀行)を設立 仲間を支援する銀行業務を開始しています。  


地域通貨勉強会 お金を使わない、新しい経済システム

『エンデの遺言〜根源からお金を問う〜』のビデオ上映

 いつもなにかしようとした時に突き当たるのがお金の問題です。お金は財産であり、個人が財産を貯めることが豊かな生活を送るための条件になっていますが、地域通貨では地域の人々が持っている知識や技術が本当の財産であり、その財産をお互いが安心して利用し合えるシステムをつくることが、お金に頼らずに生きがいのある生活を確立することです。世界に2500ほどの地域マネーがあり利用されています。興味のある方は是非ご参加下さい。

日時  今後の予定 希望者がいましたら実施します。時間なりお知らせ下さい。    

地域通貨 ハートマネー安曇野が始まって3年がたちました。前回のミーティングでは具体的な利用法や コミュニケーションの広がりを感じさせました。お金がなくても暮らせそうな実感を感じました。またハートマネーを通じて人との出逢いや暖かさを感じることができました。ミーティングはお互いを理解できる場としてとても重要だとも思います。人間的な繋がりがハートマネーの利用にも繋がっていくようです。

場所 〒399-8301 長野県南安曇郡穂高町豊里 
                                     舎爐夢(シャロム)ヒュッテ 

    TEL&FAX 0263-83-3838

     E-mail: shalom@ultraman.gr.jp    http//www.ultraman.gr.jp/~shalom/

     参加費 無料 

 地域通貨が解る広田さんのページ   全国の地域通貨
  森野さんとのメールのやりとり 

地域通貨の税金・法律問題(討議資料) (山本正雄)おおみサイトにリンク
2000/06/21


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